協調安全&Safety2.0 について

「協調安全」という安全の新しい思想(明治大学名誉教授 向殿政男先生が提唱)
--ICT技術の発展をベースに、協調安全を進めていく
「人とモノと環境が情報を共有することで、協調して安全を実現する」
--そして、協調安全を実現する技術的側面が「Safety2.0」
「ICTを活用して、この協調安全を実現する技術的手段」

安全というのは、「人」「技術」「制度・仕組み」が統一的に協調しないと実現できないという視点が大事
--専門分野を横断的に展開して、全体として効果的・効率的に協調して安全を実現していくこと

<機械安全の考え方の変遷>

Safety0.0の時代
人間が注意して操作し、機械を使ってものを作ったり、運んだりする時代

Safety1.0の時代(現在)
機械設備の安全化をまず考え、残ったリスクについて人間がカバーしながら使うという時代
--「本質安全」「安全装置」「人間工学の活用」等が進んできた現在の安全管理
--「離隔の原則」「停止の原則」「安全確認型」
--非定常状態は「管理に任せる安全!」

Safety1.5
機能安全:コンピュータによる安全制御を活用。

Safety2.0の時代
ICTの発達により、Safety1.0における不具合をカバーしていくという考えかた
--非定常作業、異常時の対応にICTを有効活用していく
--「人」「技術」「仕組み」を統一的に協調して安全を確保していく

○新しい機械安全の兆し
・自動車の支援運転、無人運転
・介護ロボット
・支援的保護システム(ヒューマンエラー防止にICT技術を活用)
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○Safety2.0による可能性(from向殿政男氏)
・高度に、効果的に、かつ効率的に安全を確保できるようになる
・常時モニタリング、実時間モニタリングが可能になる
・リアルタイムの計測が可能になる
・危険予知、危険予測がこれまで以上に可能になる
・安全の見える化がこれまで以上にできるようになる
・変化に対して、高速に、柔軟に対応できるようになる
・動的な安全管理が可能になる

※協調安全&Safety2.0は、情報を使って「Safety1.0における不具合をカバーする」。
つまり、本質的安全にはあまり適用できないが、安全制御・安全防護とか人による安全活動といったところ(3ステップメソッドの第2or第3段階:付加保護方策、安全情報展開等)に活用できる。