環境衛生管理関連事故例(居室における空調換気関係)

居室における事故事例

カラオケボックスにおける酸欠事故

事務所ビルを改造してカラオケボックスを設けていたが、室内に居た者が目や喉の痛みを訴えて救急車で病院に運ばれた。
原因は、換気設備のない無窓階の居室を長時間使用していたため、二酸化炭素濃度が上昇し、酸欠状態になったものと推定されている。

雅楽養成所での一酸化炭素中毒事故

生徒および講師が、研修中に一酸化炭素中毒となり、病院に運ばれた。
原因は、雅楽で使用する楽器の笙(しょう)を温めるための炭火による。
窓の開放は不定期で行われていたもようであるが、冷房をしていたため、換気が不十分であったと推定される。

From「建築設備士更新講習テキスト2000版」

参考:人体に対する酸素不足

酸素濃度  症 状
21%正常
15呼吸が深くなり脈拍が増す
11眠気を催す
10動けなくなる
7死亡

参考:酸素不足による燃焼への影響

酸素濃度 燃焼への影響
21%正常
19不完全燃焼が始まる
15火が消える

参考:一酸化炭素による中毒症状

濃 度 呼吸時間と症状
0.02%(200ppm)2~3時間内に前頭に軽度の痛み
0.04(400)1~2時間で前頭痛、吐き気(2~3時間で後頭痛)
0.08(800)45分で頭痛、めまい、吐き気、けいれん(2時間で失神)
0.16(1600)20分で頭痛、めまい、吐き気(2時間で致死)
0.32(3200)5~10分で頭痛、めまい(30分で致死)
0.64(6400)10~15分で致死
1.28(12800)1~3分で致死