“高所窓ガラス掃除のプロ”羽生田信之さん

NHK番組「プロフェッショナル仕事の流儀」2015(H.27)02/02放送「清掃のプロ」
仕事を怖がれ! 窓ふき歴30年。ロープに命を託す
==常に、初心者のように丁寧に仕事をする==

2月に紹介した新津さんが同じプロとしてあこがれる仕事。
「高所の窓ガラス清掃」。
地上60メートルにロープと命綱だけ!
特殊な訓練を積んだものにしかできないこの業界で、屈指と呼ばれる職人が羽生田信之さん(54歳)。
1つのミスが命取りとなるこの仕事を30年、あらゆる高層ビルの窓を拭き上げてきた。

NHKの当番組のホームページから、その仕事ぶりを引用させていただくと

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業界でも指折りのベテランの羽生田、だがその流儀は、意外なものだ。
「仕事を怖がれ」
羽生田は、とにかく初心者のような仕事ぶりに徹する。
安全管理を徹底し、何度も心の中で確認を繰り返す。
そして1枚1枚、1ミリの隙間もないように丁寧に窓を拭いていく。
同時に素早さを突きつめるため、作業のむだを徹底してそぎ落としていく。

その裏には、かつて仕事中の事故で部下がけがを負った苦い経験がある。
羽生田はそれ以来、徹底して仕事を見直した。
その中で、「仕事を怖がる初心者は、決して失敗をしないこと」、「初心者こそ、仕事は遅くても仕上がりがいいこと」に気付いたという。
羽生田は職歴30年が過ぎた今も、仕事への慣れを恐れ、初心者であり続けろと自戒している。
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命綱の固定に、強度は十分か? 不具合はないか? と確認を繰り返す。
ロープと命綱だけが頼りの不安定な空間 一度の不注意が命取り!
作業に慣れがでていないか? 気の緩みは起きていないか?

「怖がるから、いい仕事になる」

もともと好きでやっているという人より、困難を克服して続けている人。
ベテラン、名人と言われるような人にはこのような人が多いのではないでしょうか。
「自分で切り拓いてきた仕事の道」です。

「初心者の“怖さ”を持ち続ける」
羽生田さんが行き着いた、言うは易く心遣いの継続は難い「プロの境地」です。