「リーダーシップ論」について ⑨

今まで、経済アナリスト藤原直哉氏の企業文化論について記してきました。
どのような企業文化の組織に身を置くかということは、そこで働く人の人生に大きく影響します。

そして、その企業文化において決定的に大事な要素は「リーダーシップ」です。
藤原先生は、「建設的な文化をつくるために具体的にどうすればいいのか?」について、「建設的文化をつくるサイエンス」として、この“リーダーシップ論”についても言及されています

前号では、「“リーダーシップの技術体系”9項目」のうち、「⑦対立解決技術」を記しました。
今回は「⑧企画組織化技術」について、藤原先生の示唆を挙げたいと思います。


「企画組織化技術」とは、目標や目的を立てて、それをいつ、どこで、どのように達成するのかを決めるダイナミックなプロセスのことである。
企画とは、目標を達成するためにリーダーが詳細な仕事の段取りと時間配分を考え、計画がその通り実現するように、必要な経営資源を割り当てることである。
一方組織化とは、計画を達成するための構造を作るプロセスのことで、人をそれに相応しい部署に配置し、責任を与えることである。
具体的には、

  • 現実的な計画を作り、時間配分を考え、仕事の中間目標を決め、それを統合して一つの企画とする。
  • 計画を実行するにあたって、働く人々の相互関係、役割、責任を提議する。
  • 進捗状況を監視し、長期的な責任と今すぐやらなければならないことのバランスをとる
    などが挙げられる。

この事業の新たな展開を企画するという「企画組織化技術」は、「マネジメントシステムの構築」という視点で捉えることもできると思います。
一般的なマネジメントシステムの一連の流れ(PDCAサイクル)は下記のようになります。

  1. 先ず、経営トップの「方針表明」からスタートします。
    これがなければ、始まりません。
  2. この「方針」を具体的に運用するための「組織体制の整備」をする必要があります。
    責任と権限を明確にしておく必要があります。
  3. また、「方針」を具体化するため、いろいろな観点から、アセスメントが行われることになります。
    つまり、現場現実における「各種調査」の実施です。
  4. そして、その実施結果に基づいた具体的な「実施事項の決定」をしていきます。
  5. そして、この「実施事項」を元に、具体的な「目標の設定」をします。
  6. そして、その「目標」を達成するための、「(期間を定た)計画」を作成します。
  7. あとは、「計画の実施」ということになります。
    この計画の具体的な実施事項は、日常的に「管理」され、また必要箇所はその都度「改善」されていく必要があります。
    「緊急事態に備えた対応」を検討しておく必要がある場合もあります。
  8. 計画期間の終期には、第三者的立場の人の「監査」が行われることが望まれます。
  9. そして、上記の「監査」も参考にして、計画の期間を通じての実績について、経営トップの「見直し」が行われる必要があります。
    そして、次のステップ(新たなサイクル)へ移行していくということになります。

リーダーシップの技術体系の一つとしてのマネジメントシステム。
藤原先生は、以上のサイクルを「ダイナミックなプロセス」と表現されているのだと思います。

我田引水になりますが、姉妹サイトの「労働安全衛生マネジメントシステムの解説」も参考にして頂ければ筆者としてうれしく存じます。
http://rich-fs.biz/reo-area/category/anzen/a-ra/oshms/

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