危険検出と安全確認について ②

前回Blogで「人間はもともと“危険検出型”」ということを書きました。
一般にそのように言われています。
基本的に人間は、危険を検知して(外部の異常情報に基づいて)対応行動をとっています。
危険以外においても通常、周囲の状況を察知・判断して、対応行動を取っています。
周囲の状況情報の中に危険情報も含まれているといった方がいいかもしれません。

そして、その危険情報を検知する過程で誤りがあると、対応できない場合、{事故/故障/トラブル}とになります。
特に、小さなトラブルは日常茶飯事です。

神経質な人(「注意深い人」と言った方がよいかもしれません)は考えます「何か危険はないか?」「忘れていることはないか?」--と。
つまり、次の行動をとる前の段階で不安をいだきます。
そうすると、「安全を確認しよう」と考え、そのための努力をすることとなります。

また、この度が過ぎると、「不安神経症」になります。(ここから変な方向に寄り道!)
神経質な人は基本的には優秀な安全人間です。
しかし、これも度が過ぎると、戸締まりを何度も確認するようなこととなって現れます。
「安全確認行動症候群」と神経医に言われそうな状況になります。

そして、神経が安全確認不安で疲れてしまい、「何とかならないのか?!」と本人は真剣に悩むことになります。
「これを機械設備に取って代わらせることができたら何と楽なことか!」という思いが出てきます。
ロボットがセンサーを駆使し、「今の施錠状態は完璧です!」と宣言してくれたら何と楽なことだろうか!

ところが、このような楽な状況が続きますと、不安を深めるような方向に思いが向かうこともあります。<※>
(新たな不安が出てきます、要求レベルが向上すると言えるかもしれません)
そして、「このロボットはちゃんと監視しているのか?」
に始まって、
「このロボットが故障して、“誤って安全情報を出している”のではないか?」
等々、疑いは深まります!

話が神経質性向の方に傾きました!(ご容赦下さい)
安全確認を機械に任せるという点に話を戻します。
機械設備を安全確認型にすればよいというのが「安全確認型システム」の観点からの一つの答えになるというのが現時点での考え方です。
機械設備が漏れのないように(ここがポイント!)安全を確認して(安全を確認するシステムを形成して)、施錠をしてくれる(或いは知らせてくれる)。
そこで使用する機械設備は、故障等異常があれば安全信号は出ない(ここもポイント!)システムとなっている。
この「安全が確認され、その状態(解錠するまで安全確認の状態)が継続される」と、人は安心して次の行動(外出)ができます。

この「安全確認型システム」は、現実においては、機械設備等の限られた範囲(リスクの大きな部分)で適用されています。
広く適用を願いたいところですが、経済性等も含めて現状では無理な面があります。
しかしこの考え方は、日常のなかにおいても広く利用できると考えます。
現実場面で知恵を絞りたいところです。

<※>
ロボットに任せっきりでその後を考えないようになるのもまた神経質な人の傾向でもあるようです。
昔、森田正馬博士が「思想の矛盾」と名づけられた状況です。
つまり、あることに執着しすぎるが余り、他の面が疎かになり、神経質な人が無神経な人よりも無神経になるというような状況のことだったと思いますが--。