“伝えたいこと” & “伝わったこと”

先月に続いてですが、濵田勉氏著書『主なき安全』に面白い記事があります。
「伝える」と「伝わる」についてです。

★伝える側(話しをする側)は、自分の頭でイメージしたことが、相手の頭にそのままイメージされていると思ってしまう。
--極端な場合、自分の脳みそがそっくりそのまま相手に移ったと思ってしまう人もいる。
★(冷静に考えてみれば)どのように相手の頭に浮かぶかは、受けとめる側の勝手です。

⇒この勝手が理解できないまま(認識できないまま)、伝えるところから間違いが始まっていく!

よくあること(問題点)です。
しかし、なかなか気づけません。
相手は相手なりに解釈して頷いているのですが、こちらは分かってくれていると認識します。
--相手は相手なりに都合のよいように解釈しているのかもしれないのに--

面白い例が示されています

ハンバーガー店に行ったとき
店員「いらっしゃいませ」
私 「ハンバーガーセットください」
店員「ハンバーガーセットですね。お飲み物は何になさいますか?」
私 「コアラ」
店員「コーラですね」
これまで一度も正しい答えが返ってきたことがない!

--まあ「コアラ」は発音の仕方によっては「コーラ」と聞こえることがあるかもしれませんが--

聞く側は、自分の環境に無いものは、あるものに置き換えて聞く。
これは「人間の基本的な習性」!

この話を濵田氏が現場ですると、「では、伝えた相手からサインをもらえればいいですか?」などと質問されることがあるそうです。
いつの間にか「確認が大事」という話しが、責任回避の話しにすれ替わっていることがあるとか!。

伝えるということは難しい!
コミュニケーションについての専門家もいるくらいですから。

言語・発音の不明等の問題もありますが、それらはクリアされているとしても、双方の認識について、それぞれの性格・環境等を考慮して伝える必要があるということです。

仕事上の伝達については、(伝わったかどうかの)確認が必要!。
一般には、復唱してもらう、質問してみる等の確認手段がいわれています。
そのためには、双方の時間の共有(理解し合えるに必要な時間の共有)が必要なように思います。
「相手への注意を向ける」という思いやりの姿勢です。
また、仕組み(システム)としてそのような意図で“環境整備”されている組織(管理者)は「思いやりのある組織(管理者)」となると思います。

人間古稀に近くなると、(各自、それぞれの事柄についての観念が形成されていて)思い込みが強くなり、それまでの経験・環境の違いで意思疎通が難しい局面があるかもしれません。
(高齢者が定年後も働く場合などにおいては、特に考えられます)
また、これに柔軟に対応できる高齢者は、「(まだまだ)頭の柔らかい人」となるのでしょう。