“コロナ下の空気環境管理”について②

先月の「コロナ下の空気環境管理」に続いて、新型コロナウイルス(COVID-19)対応知識を、NHK「あさイチ」12月2日の内容「この冬 知っておきたい感染症対策」を参考に、まとめてみました。

対応のポイントは「マスク」「手洗い・消毒」
そして、
 ・症状は「呼吸器」がメイン+「倦怠感」+「味覚・匂いの異常」
 ・感染者からの感染は5人に1人の割合
 ・家族間感染に注意!

【加湿器の課題】
  • 相対湿度は40~60%に維持したい。
    加湿により
    「喉の奥の線毛の働きがよくなる:線毛のバリア機能を高める」
    「空中ウイルスを減らす効果がある:飛沫を抑えることができる」
  • 飛沫を介した感染が支配的である(接触感染よりも飛沫感染の方に注意!)
    --細かい飛沫がハイリスク!
  • 冬場の室内の湿度を40~60%に維持するには、隙間を無くすことが効果的
    --加湿をしても、隙間により湿度が上がらない!
    →隙間を塞いで、加湿集中タイムをつくることが効果的
    そして、湿度50%程度になると、隙間の塞ぎをはずしてOK
    (湿度60%以上では、カビ・結露のリスクが増すことになる)
    --空気環境を適正に維持するためには、換気が必要となるが、5分程度の換気をしても、加湿を続ければ、部屋全体が水分を含んでいるため湿度はすぐに回復するようになる!(以後湿度は40%以上に維持される)
  • 換気は、室内空気の入れ替えが室内全体に及ぶように(空気の流れが短絡しないように)空気の出入口を対角線上にすること。

室内湿度の維持には、当初の加湿時に隙間を塞ぐことがポイントとなる。
隙間があり適当に換気が維持されていることは、室内空気環境上良しとされるが、コロナ対応のための湿度維持という目的で隙間を塞ぐという工夫をするということ!
(部屋にはドア下部等の隙間が多くある)
また、設備管理面では、換気設備がある場合は、換気量を必要最低限に減らすという設定も有効であろうと思われます。

一定規模以上の建築物における空調設備では、冬場は空気を循環させているのですが、その空気中にコロナウイルスの飛沫が含まれていたら? ビル全体に感染リスク? と危惧されますが--
空中において拡散し薄まった状態では多分問題はないのではと思われます---。
今までこのような事故は報道されていません(インフルエンザ流行時においてもそのような事例は出ていないようです)。
それを考えるなら、飲食店での空間の方が、たとえ離隔空間をとっていたとしても、密な状態度が高いと思われますが---。

  • 日常の居住空間(居室)においては、通常はエアコンがほとんどであろうし、その場合の加湿器の必要性を挙げられています。
    --ウイルス浮遊を抑えるためには、空気中の保有水分を増す(相対湿度を上げる)必要があるため、室温を上げて加湿器を使う。
    それも、空気の流れの通り道に加湿器を置くのが有効!
    自分の近くに小型加湿器を置くという方法も示されています。
    (邪魔にならなければ、自分の近くに水の入った容器或いはぬれタオルを置くというのも有効と思われます)
  • そして湿度に関連して、喉の保湿としてのマスクの効用を挙げられています。
    →マスクは自分の喉の湿度を保つのに有効!
【マスクの効用等】
  • 上記のように自己の喉の湿度保持のため
  • 微小感染による「免疫の獲得」という効用!
  • 飛沫を通さない割合(マスクのフィルター性能)
    --特に不織布マスクがその有効性が大きい
    --不織布(70~90%)>ウレタン・ガーゼ(30~50%)
  • マスクの使用方法
    ①表裏を間違えない
    (表はプリーツが下向きに開くように、裏は柔らかく肌に優しい素材)
    ②ワイヤーを曲げて鼻にフィットさせる
    ③しっかりあごを包む
【プラスα】
  • フェースシールド(マウスシールドを含む)は、相手側への飛沫飛散には有効であるが、受け側にはその予防効果は弱い。
    従って、フェースシールドのみでは防禦面では安心できない!
  • 店舗、飲食店等で使われている、パーティションは十分な高さがないと飛沫が越境してくる!
  • ランニング中の間隔
    --屋外で1m以上の距離
  • 細かい飛沫に効果的な紫外線(10秒照射で9割無害化)
    --222nmの紫外線
  • 低湿度オゾン発生装置(低濃度のオゾン0.00001%の使用)
    --オゾンの強い酸化力
    装置使用時には有効スペースに注意が必要(オゾン濃度に注意)
    --濃度が高いオゾンは危険(直接吸い込むと喉の痛み等の弊害)
  • 消毒
    アルコール、石鹸・ハンドソープとも 30秒以上の消毒保持・手洗いが効果的
  • 免疫力
    ビタミンD 8.5µg(1日量)
    --免疫の働きを整える(足りないと免疫力が下がる)
     →冬の太陽光1時間
     →食品(キノコ類、アジ・イワシ・サバ等の青さかな)
  • 衣類等に付着したウイルスの感染力の持続時間
      4℃の場合 96時間
      22℃の場合 8時間
       ※冬場に注意! 4日間感染力保持!
【もしもの時の準備(感染時の注意点)】
  • 10日以上の入院・宿泊(隔離状態となる)
    --2週間程度を想定
  • 自宅の場合--食事の用意
  • 衣類--体液に注意!
  • ストレス対策
    --コーヒー等の嗜好品、本、ゲーム、タブレット端末、充電器等

以上、近頃ではもう常識となっているような内容です。
環境管理面での対応としては、空気環境管理(湿度・湿度・換気の管理)がメインとなりますが、以下のような感染経路の記事があります。

洗面所の蛇口介し感染か  都営大江戸線の新型コロナ集団感染
<NHK:2021年1月15日>

都営大江戸線の運転士などが新型コロナウイルスに集団で感染したのは、歯磨きなどで使っていた洗面所の蛇口を介して感染が広がった可能性が高いことがわかりました。
都営大江戸線は先月中旬以降、江東区の清澄乗務区に所属する運転士など39人が新型コロナウイルスに感染し、今月11日までの2週間余り通常の7割程度に減らして運行を行いました。
都交通局によりますと、感染経路を調査した保健所から乗務区の庁舎にある洗面所の蛇口を介して感染が広がった可能性が高いと指摘されたということです。
この蛇口は手で回すタイプで、トイレの後の手洗いのほか歯磨きやうがいなどで運転士たちが使っていて、保健所はだ液が蛇口についていた可能性を指摘しているということです。
都交通局は、手をかざせば水が出るセンサー式の蛇口に変えるなどの対策を検討するということで「手を洗うために使う蛇口を介した可能性があると聞いて、対策の難しさを痛感した。感染の拡大防止に努めて運行を確保していきたい」としています。