マンション管理士登録には5年ごとの法定講習受講義務があり、受講してきました。
直接この業務に従事しているわけではないのですが、設備管理という業界に身を置いていた関係で、管理に関する資格制度ができたということで、資格取得し登録しています。
私のつたないマンション管理の実情についての知識は、この講習により更新されていくわけですが、講習のたびにマンション管理の難しさを実感しています。(もう3回目の受講となりました)
直接の対象となるのは区分所有マンションですが、2018年末のデータによりますと、ストック戸数は約654.7万戸、約1,525万人が生活し、今後も増え続けています。
つまり日本全体では、10人に1人強の人がマンション生活をしていることになります。
当然ですが、この比率は都市部では飛躍的に大きくなります。
ところがこのマンション管理においては、区分所有という特異性のもと、いろいろな切実な問題が出てきています。
私はマンションに住んでいないので身に迫った実感を持って語れないのですが--
<管理組合の維持については-->
・各法制度への対応
・トラブル対応
・賃貸化、民泊化
・大規模災害への対応
(定期的訓練等の実施)
・空室戸数の増加について
(空室があるマンションの割合37.3%)
(古いマンションほど割合が高い)
・管理費滞納
---等々
特に、修繕積立金・管理費等の使途という点だけでも、所有者全体の視点での納得性という難題があります。
<建築物・設備の維持については--->
・修繕計画の作成とその履行管理
(専有部分と共有部分の工事等)
・耐震構造
・建築物の老朽化について
(建て替え)
--等々
長期スパンでの考察による、工事費・修繕費の積立、建て替え経費への対応等々の難題があります。
以上のように管理運営上の問題、建築物・設備の改修・老朽対応問題等々、挙げれば切りがありません。
老朽化マンションの建て替えも、大変な課題です。
これらの課題へは、各区分所有者の合意協力の下、管理組合を中心として、必要時には法律専門家、建築・設備専門家等々も加えて 対応していくことになります。
時代の推移によるマンションの老朽化、居住者の高齢者問題、そして最近ではクレーマーの存在も問題となっているようです。
また、いろいろな紛争も起きています。
法廷における争いの内容をみて、なるほどこのようなことが問題になるのかと教えられます。
日常の区分所有者間の良好なコミュニケーションの形成が一番のキーポイントではありますが、紛争となるとなかなか難しいところです。
数年前まではマンションの区分所有についての勧誘電話がしきりにありました
それがあるときからピタリと止まりました。
投資という考えもありますが、居住場所としての価値を長いスパンで考える視点が必要です。
都市への人口集中による必然的建築物ですが、上記のような課題は今後どのように方向付けされ、解決されていくのでしょうか?