2番札所極楽寺を訪れるたびに気を取られるものがあります。
十法界を表した石柱です。
十法界があるのは八十八ヶ所でもここだけではないでしょうか?
調べてみますと、十法界を語っているのは天台宗とか。
八十八ヶ所は、真言宗の開祖空海の足跡が元となっているので十法界の標識が少ないのも納得できますが---
いやいや八十八ヶ所には真言宗以外の宗派の寺院もあったのでは--と疑問は広がりますが---
十法界(十界)とは、六道に声聞・縁覚・菩薩・仏の四階層を加えたもので、人の心の階級を表したものです。
即ち、最下級から、地獄界・餓鬼界・畜生界・修羅界・人界・天界・声聞界・縁覚界・菩薩界・仏界へと登っていきます。
六道輪廻と言われますが
六道とは、人間の内面において繰り返される世界を指し、下記のように言われています。
- 地獄界:あらゆる恐怖に苛まれた状態。
- 餓鬼界:眼前の事象に固執する餓鬼の状態。
- 畜生界:動物的本能のままに行動する状態。
--食欲、睡眠欲、性欲、物欲、支配欲など、欲望のままに行動する状態。 - 修羅界:会話を持たず「武力」をもって解決を目指す状態。
--日常的な喧嘩から国家間の戦争に至るまでの全般を指す。 - 人界:平常心である状態。
--だが、人間的な疑心暗鬼を指すともされる。 - 天界:諸々の「喜び」を感じる状態。
--主に瞬間的な喜びを指す。
また、上位の4階級は四聖と言われ
- 声聞界:仏法を学んでいる状態。
--仏法に限らず、哲学・文学・物理学、さらには大衆娯楽や子供の戯言に至るまで「学ぶ」状態を指す。
--つまり、前向きに向上心を持って学んでいこうとする心的状態の階級でしょうか? - 縁覚界:仏道に縁することで、自己の内面において自意識的な悟りに至った状態。
(仏界における「悟り」とは根本的に異なる。)
--つまり、道徳的に自己反省を出来る心的階級でしょうか? - 菩薩界:仏の使いとして行動する状態。自己の意思はともかく「行動」そのものを指すとされる。--つまり、道徳的に人の心を善導し、仏道へ導こう(救済しよう)とする階級でしょうか? (仏像を観察してみますと、菩薩は飾りを身につけています。)
- 仏界:悟りを開いた状態。
--如来といわれる階級?
(如来の仏像は、飾りを付けていません。 大日如来は宝冠のようなものをかぶっています。)