福知山花火大会露店爆発事故

8月15日福知山市の花火大会で露店から爆発事故。
数名が死亡、負傷者数60数名というショッキングな事故が発生しました。

身近な露店で思いもよらない大事故!
大勢の人の集まる場所での危険物の存在とその扱い方などについて、再度認識すべきことがあるかもしれません。
(当然に認識すべき事項であり、事後の再認識という気が引ける部分もありますがーー)

一連の爆発のきっかけとなったのは、小形発電機へのガソリン給油時の噴出とされていますが、その扱いの当人がガソリンの危険性、それを入れた携行缶の扱い方さえ知っていれば、あのような事故にはならなかったということです。
よく安全管理の場では、「知っていること」と「できること」と「(当事者が主体的に)実行すること」との間には大きな差があると言われます。(「天と地ほどの差」と表現される人もいます)
今回の場合は、その最初の「知っていること」に問題があったということです。
(その危険性を知っており、圧力調節ネジの操作の必要性を知っていれば、故意には調節ネジの間違った調整はしなかったでしょう。)


問題の携行缶は量販店で売られており、誰でも買える状況にあります。
今後、この事故を契機として消防法等の改正、或いは規制の強化が行われると思われますが、日常における“身のまわりのリスク”に思いを傾ける教訓にしたいと考えます。


2013年10月5日 追記

10月3日の新聞に、火元となった露天商の店主が業務上過失致死傷の疑いで逮捕されたとあります。
本人は容疑を否認しているとのこと。
逮捕容疑は、被疑者が携行缶に入ったガソリンを発電機に給油する際、缶の空気抜きを緩めて内圧を下げるなどの措置を怠って給油口のキャップを開けたため、ガソリンが噴出し、露点の火が引火して爆発が起きたというものです。
被疑者は、「携行缶を移動させようとしたところ、キャップがとんでいき、ガソリンが噴き出した」と容疑を否認しているとのことです。
携行缶の取扱いを誤ったのであれば、被疑者の過失ですが、内圧でキャップが飛んだのであれば、製造者の製品安全責任が問われるようになるかもしれません。


総務省消防庁は、露店の消火器配備の義務化などを柱とする報告書をまとめ、今後は市町村に対し、条例化を求めるとのことです。
また、大会等の主催者に防火担当者の選任や火気使用状況の把握、被害拡大防止の配置や動線計画を求め、出店者には消火器や水を入れたバケツの準備を義務づけたとのことです。

<参考>
総務省消防庁のホームページ


2013年10月26日 追記

新聞報道によると、京都地検は24日、火元となったベビーカステラ店の店主を起訴したとのこと。
当初は、「携行缶を移動させようとしたらキャップが(自然に)飛び、ガソリンが噴出した」としていたが、その後「キャップを自分で開けた」と容疑を認めたらしい。

起訴状によると
「8月15日午後7時半頃、福知山市の花火大会会場で、猛暑の中、携行缶を放置。
発電機に給油しようと漫然と携行缶のキャップを開けてガソリンを噴出させ、事故を起こした。」  としている。

軽率な行動と避難しているわけですが、危険性の認識不足ということです。
現実的には、このような“危険性の認識不足”が“日常”においても常態的にあり、2013/10の福岡の病院火災事故も、「訓練等の重要性は分かっていたのだけれども---、認識が甘かった」ということです。
事故が起きると、啓蒙活動が行われるのですが、時間が経つと「熱さ」は冷めます。
対応策として、強制的な仕組み(つまり法令等)で厳しく規制(人に依存する)ことになります。
その前に、今回のケースでは、自動的に内圧が下がる装置を付ける等の機械的な対応も考えられます。

2014年2月記事