テレビ東京「カンブリア宮殿」の数年前の放送で記憶に残っている会社があります。
それは「生産者直売のれん会」を紹介した番組でした。
優れたものを作っているのに、流通ルートやノウハウを持たない中小食品会社に代わって販売を担う会社です。
その販売は、駅構内の小区画を借りての展開です。
番組では、「1坪ショップ」として紹介していました。
社長の黒川健太氏は38歳という若さですがいろいろ経験されています。
会社員時代にあるメーカーで販路の開拓をしていたとき、売上の減少に悩む酒屋店に目をつけ、店内の小さなスペースに豆腐を置くと飛ぶように売れたそうです。
豆腐メーカーと酒屋さんの両方にメリットがある。
豆腐の他にも売れる物はないか?
地方の食品メーカーを訪ね歩いた。
そこで中小メーカーの厳しい現実を知ることになった。
そして、そのような経験から「いいものを作る会社ほど販売は得意じゃない」ということが分かってきたそうです。
そして、そのような会社が全国にたくさんある。
売る力がなければ、「商品力に比例して会社が成長するわけではない」ということを知り、ネットワークを作ってその販売を支援(生産者支援)しようと考え、会社設立へとなったとのことです。
その手段が、お客様のいるところに行って、身軽に展開できる“1坪ショップ”ということです。
一坪ショップは
--売れる場所がない! 1坪を借りよう! それも人通りの多い場所! という発想です。
- 神出鬼没の身軽さ(出店期間1週間等)
- 何でも自分でやる(自分でやれば、反省点を踏まえて変えられる)
--フレーム枠、印刷等々の制作 - 製造者の熱意とこだわり、そしてのれん会社員の受けた感動を伝える
黒川社長はしっかりとした経営コンセプトを持って、創造的に展開されています。
- リスクを背負った方が売れる力が付くのではないか--という発想
- 成功は失敗の数に比例すると信じている--小さな失敗を繰り返す
- ひとつの商品に全力をかける菓子会社。
そしてそれへの販売サポート。
この出会いを大切にする。 - 局地戦という弱者のセオリー
局地市場の一番を狙う!
小さな土俵でトップを取れ! - いろいろな得意分野を持っている企業を組織化できれば--
1社でできないこと業種に違う会社が集まれば、仲間同士で製造ラインを持つことになり、新たな商品開発の可能性が増えてくる。
ひいては、価格競争からの解放もできる!
『いいものを作る会社ほど販売が得意ではない!』
納得する言葉です。
頑固な職人を思い浮かべます。
その販売を手助けする経営者が必要です。
そこに黒川社長は目を付けられたのでしょうが、そのようなケースはまだまだあるのではないかと思います。
そして、筆者は思います
多くの高齢者も、経験・ノウハウの宝庫ではないか?!
多くの高齢者の頭脳に詰まった“貴重な経験で得た知恵”が次世代に伝達されずに消えていっている!。
特許・実用新案等の知的財産は権利として保護されますが、それ以外の多くの知恵は消えていっていると思います。
(勿論、技術の継承等の努力は各方面或いは各企業でされていることでしょうが、十分だとは思いません)
なんとかそのような宝を残すことができないのかと---切に思います
--高齢者は、ひとり1ページの文章でも良いので、後生のためになると思うような経験から得た知恵を残そうではありませんか。