JR東日本 架線断線事故(20171216)

JR東日本京浜東北線で架線断線事故!
前回(昨年11月)は変電所のトラブルで首都圏のJR線で、作業者の操作ミスによる大規模な停電発生事故を取り上げましたが---

ネット記事によりますと


【JR京浜東北線 架線切断で7時間近く運転できず 約22万人に影響】
12月16日 18時15分 NHK
16日午前、横浜市内のJR京浜東北線で架線が切れ、7時間近くにわたって運転できなくなりました。
列車は午後5時半すぎに運転を再開しましたが、およそ22万人に影響が出ました。
16日午前11時前、神奈川県の鶴見駅と川崎駅の間を走行していたJR京浜東北線の快速電車の運転士が大きな音に気付いて非常停止しました。
JRが確認したところ、架線が切れているのが見つかり、この影響で、京浜東北線、東海道線、横須賀線が一部の区間で運転できなくなりました。
その後、東海道線と横須賀線が運転を再開し、京浜東北線も7時間近くたった午後5時半すぎに運転を再開しました。
鶴見駅の周辺では3本の列車が立往生し、JRは午後0時半ごろから、およそ2400人の乗客を車両から降ろしました。
JRによりますと、このトラブルで、およそ22万人に影響が出たということです。
子どもと一緒に乗っていた横浜市の女性は「パンという音がして急に電源が落ちたような状態になった。降りてからも案内する職員がいないので、前の人について歩いています」と話していました。
ベビーカーに子どもを乗せていた父親は「2時間くらい乗っていたので疲れました。近くの駅を探してなんとか帰ります」と話していました。
JRは架線が切れた原因を調べています。

【京浜東北線で架線切断、3列車停止 2千人が線路を移動】
2017年12月16日23時38分
16日午前10時56分ごろ、JR京浜東北・根岸線の鶴見―川崎駅間で架線が切れ、磯子発南浦和行き快速列車(10両編成)が横浜市鶴見区の鶴見川橋付近で緊急停止し、他の2列車も止まった。
このトラブルで京浜東北線と東海道線、横須賀線の上下線が蒲田―磯子駅間などで最大6時間以上運転を見合わせ、約22万人に影響が出た。
JR東日本横浜支社は16日夜、事故の原因について、同日未明の工事で架線と金具を近すぎる状態で調整したため、列車の振動で架線が金具と接触してショートし、断線した可能性があると発表した。
止まった3列車の乗客約2400人は線路を歩いて近くの駅などに移動した。
この日、92本が運休、214本が遅れた。
京浜東北・根岸線では2015年8月にも横浜―桜木町駅間で架線が切れ、約35万人に影響が出たトラブルが起きている。

【京浜東北線、パンタグラフすべて破損 工事影響し切断か】
2017年12月17日05時10分
JR京浜東北・根岸線の架線が切れて列車(10両編成)が止まり、22万人の足を直撃した事故。
列車のパンタグラフはすべて破損していた。
架線から電気を受け取るパンタグラフは、3本ある架線のうち、一番下のトロリー線にのみ接している。
今回切れた補助吊架(ちょうか)線は、トロリー線をつるしている架線で、JR東日本横浜支社によると、補助吊架線は16日未明に行った工事の不具合の影響で切れたとみられる。
垂れ下がった補助吊架線の下を列車が通過した際にパンタグラフが接触したため、三つあるパンタグラフがすべて壊れた可能性があるという。

会社員の○○さん(25)は事故が起きた1本後の電車に乗っていた。午前11時すぎ、車内灯が消えて電車が線路上で停止。
2時間にわたって車内に閉じ込められた。
「ディスプレーや空調も全部つかなかった」。
午後1時ごろ、線路上に降り、10分ほど歩いて京急の生麦駅までたどり着いたが、「高齢の人は歩くのが大変そうだった」と振り返った。
京急の横浜駅には振り替え輸送の利用客が殺到。
入場規制が行われたため、一時長蛇の列ができた。
友人らと買い物に来ていた30代の女性は、運転再開がさらに遅れるとのアナウンスを聞き、「どこかで時間をつぶさないと」と疲れた様子で話した。
京浜東北・根岸線では2015年8月にも横浜―桜木町駅間で架線が切れ、約35万人に影響が出たトラブルが起きている。

【走行の振動でショート JR京浜東北線の架線トラブル】
NHK 12月17日 6時48分
16日、横浜市内のJR京浜東北線で架線が切れ、7時間近くにわたり運転ができなくなったトラブルについて、JR東日本は、事故が起きる前に行われた架線工事でミスがあり、電車の走行時の振動で2本の架線が金具を通じて接触しショートしたことが原因だったことを明らかにしました。
16日午前11時ごろ、神奈川県の鶴見駅と川崎駅の間でJR京浜東北線の架線が切れるトラブルが起き、京浜東北線、東海道線、横須賀線が一部区間で運転を見合わせました。
なかでも京浜東北線は7時間近くも運転ができなくなり、およそ22万人に影響が出ました。
JR東日本が架線が切れた原因を調査した結果、2本の架線が金具を通じて接触しショートしたことが原因だったことを明らかにしました。
架線が切れた区間は「エアセクション」と呼ばれる架線と架線のつなぎ目で、数十メートルにわたり、電圧の異なる2つの架線が並行して設置されています。
架線には金具がついていて、もう1本の架線と接触しないよう通常は15センチ離して設置されていますが、16日未明にこの部分の架線を工事した際に間隔の調整が不十分だったため、電車が走行した振動により、接触したということです。
JR東日本は今後、架線と金具の間隔について、十分確認を行うとともに、万一、接触してもショートしないようにするため、架線や金具に絶縁性のカバーを取り付けるなど再発防止を図ることにしています。


通常行われている工事だと推察します。
今回の工事も、このような事故事象は当然に予期したうえで作業を実施していたことと思われます。
現に「15センチ離して」という基準があり、このような事態は過去に検討されていたことが推定されます。
作業手順も作成されていたことと思います。
でも、何回も行われているであろう作業においてもこのようなトラブルは発生します。
企業規模が大きく、工事件数も多いと、このようなトラブルは絶無というわけにはいかないことも理解できますが---

この業界の門外漢であり、これ以上のことは分かりませんが---
評論家がよく話題にされる「管理面或いは現場の技術力の面で劣化傾向が続いているのでは?」「技術継承問題?」「下請け重層構造による管理不徹底?」「人手不足?」というような素朴な疑問が浮かんできます。

列車事故というのは影響が大きく出ます。
このような事故が起きると管理幹部の人が出てきて、「今後注意を徹底します」「もう二度とこのようなことのないように管理を徹底させます」等々発言されます。
意気込みは感じられますが、どうするのかというのが不明です。
そういう質問には「今後検討します」となるのでしょうか?
そして、検討された内容はニュースにはなりません。

今回の事故となった工事においても、作業は人が実施しますが、このような事故事象が起きないような改善工夫は「人の注意に多くを依存しない離隔保持方法等」を目指すべきことは明らかです。
今まで「絶縁性のカバーの設置」は考慮の対象ではなかったのでしょうか?という素朴な疑問もまた湧いてきます。

鳴門の双耳峰201712

鳴門の双耳峰201712