「FCP:事前対策について②」<10>

災害等において、「(自分も含めて)関係する人たちの命が救われること、及び怪我をしないこと」への努力傾注は最優先事項ですが、事前対策として「被災後の生活」についても検討をしておく必要があります。

各事業場においては、災害時のリスクマネジメントとして、中小企業庁から「中⼩企業BCP策定運⽤指針」が示されています。
そこには、災害等に遭遇して「事業を如何に継続していくのか?」という課題に対して、事業継続計画(BCP)の作成という方策が示されています。

この指針に示されている内容は、「被災後の私たちの“生活”」を検討するうえにおいても参考となる事項が多くあると思われます。
そこで、“生活の継続”という視点で、この指針の内容を検討してみるのも意味のあることと考えます。
(いわば「FCP:Family Continuity Plan」への“試考”といえます)

前号は、「事前対策の必要性」についてでしたが、今回もその続きとして、「事前対策の具体的な手順」について、考えてみたいと思います。


当ブログ姉妹サイトのBCP記事(下記)より一部を引用します。
<c.f.>『事前対策の手順一般②』

「災害等に遭遇したとしても、会社は従業員等の安全を確保した上で、中核事業(中核業務)を継続していくこと」を大前提として対応準備をしておかなければなりません。
そのためには、経営資源(人、物、情報、金 等)の確保が必要であり、平時から以下のような検討・実施(事前対策)をしておくことが重要となります。

*「人」
安全に避難できるように、災害や事故発生時の初動フロー図の整備。
安否確認ルールの整備。
代替要員の確保。
複数業務をこなせる要員の育成。
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*「物
建築物の耐震化、設備の固定。
被害状況により、現地復旧の検討 or 代替方法(代替生産・代替調達等)の確保。
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*「情報」
重要なデータの適切な保管、バックアップ。
(関連企業・官庁関係等の)情報収集手段・(自社情報等の)情報の発信手段の確保。
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*「金」
緊急時に必要な資金の把握。
現金・預金の準備。
(キャッシュフローが回るか?)
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経営者を中心に、各部署の協力を得て、災害対応手順等を検討していきます。

各経営資源について事前対策の検討

事前対策の実施状況の現状把握
(各災害、各経営資源について把握)

自社で出来ている事前対策は?
○ 出来ている場合→その対策の再考 詳細検討
(何をやる?、誰がやる?、何時やる? 等)
○出来ていない場合→これから実施しなければならない事前対策を検討
(何をやる?、誰がやる?、何時やる? 等)

そして、検討結果は、マニュアル化し、各従業員への周知徹底を図り、具体的な対応手順は、教育・訓練等へ積極的に活用していきます。

マニュアルと関連して、視覚化した「初動対応フロー図」の作成・掲示、「従業員携行カード」の作成が考えられます。
災害時に即活用できるように周知しておくことが必要です。


事前対策の具体的な項目として、「人」「物」「情報」「金」についてそれぞれの検討を深めていくことが示されています。
FCPにおいても、これら役に立つ手法を、自分の家族・周囲の組織等に当てはめて、現状の把握から具体的に検討していくということになります。
担当分担、対応の図式化等も示唆されています。
先に紹介した「地震イツモノート」の巻頭に書かれている
「防災が、地震のための特別な努力ではなく、私たちのライフスタイルの中に自然に横たわるものであって欲しい」という制作者の思い、つまり「生活の一部としての防災事前対策の位置付け」を工夫していきたいものです。

『マニュアル化し、周知徹底を図り、具体的な対応手順は、教育・訓練等をする。
また、マニュアルと関連して、視覚化した「初動対応フロー図」の作成・掲示、「従業員携行カード」に類するカード等の作成も考え、災害時に即活用できるように周知しておく。』等の工夫も必要となります。

検討例として、一般的には下記のような項目が挙げられています。

<事前検討事項>
 *我が家の避難原則
  --「このような場合は、屋内に留まり安全を確保する」等のルールの確認
 *家族の安否確認方法
 *緊急時の待ち合わせ場所
  --状況により数カ所設定
 *連絡方法
 *避難経路
  --避難先への経路
    (危険な個所などの注意事項も確認しておく)

<連絡カード:掲載項目例>
 ・氏名
 ・住所
 ・緊急連絡先
  --優先順位をつけ数カ所
 ・血液型
 ・既往症
 ・メモ