東証システムダウン:担当者のストレス“推察”

 10月1日「東京証券取引所でシステム障害、株式銘柄の売買が終日停止」というニュース。
衝撃を受けました。
新聞等ではバックアップ機器への切替が正常に行われなかったための事故と説明されています。
原因となったハードウエア機器を交換し、翌日からは正常に戻っていますが、何か腑に落ちないものが残ります。
よく言われている「日本の現場力の低下」「日本の品質の低下」が頭をよぎります。

このニュースを知ったとき、現場で直接担当されている人々のストレスに思いが至りました。
さぞかし重圧下に置かれていることだろう。
 ・原因が特定できない状況下での困惑
 ・周囲の緊張と苛立ち
 ・上層部からの心的圧力
 ・---
等々が推察されます
相当なストレスが今も続いていることだろうと思います

設備管理業務を長年経験し、いろいろなトラブルを経験した身としては親身に感じます
思い出すのが、自分が責任者として管理するビルでの停電事故
もう40年も前のことになりましょうか、
 ※池田高校優勝で盛り上がった夏の日の出来事:昭和57年(1982年)
現場を離れていたとき、担当していたビルが全停電となっているとの連絡。
現場へ戻るのに数時間かかりましたが、
到着したときの受電室に集まったビル内の関係者の視線(客先に当たります)。
ムリもありません、ビル内テナントの銀行業務・保険業務等が止まっています。
そして担当設備員の駆け回った苦労の表情
電気主任技術者としての重圧を感じました
--関係業者の協力を得て(相談者が居て)、故障機器を切り離して受電にこぎつけましたが---

困惑に直面したとき、どう対応すればよいのか判断に迷います。
そのようなとき、状況の理解できる(技術的に同レベルの)相談者が大きな支えになります。
気持ちも落ち着き、次への行動(対応)を冷静に考えることができるようになります。

大きな事故は、経営管理面の要因も含めて長い経緯があることが多いのですが、これらの事象の連鎖により事故が発生したという認識のもと、対応の充実を図っていかなくてはならない面があると教えられています。

また、上記受電室での停電事故についても、深く事象を想定した対応策を練っていておればという反省もあります。
リスクアセスメントの内容を深めていればという反省です。

ところが、通常においては緊迫した事故はそう頻繁には起きないこともあり、なかなかリスクアセスメントとして深められないのが実状です。

今回の東証システムダウンのニュースが、遠い昔の事故のフラッシュバックとともに管理マトリクスの表を思い起こしてくれました。

重要・緊急マトリクス

上記のような「重要・緊急マトリクス」で説明されていますが、第2領域が疎かにされる傾向にあり、反省のポイントとなります!