リスクアセスメントは、「作業現場の危険性又は有害性による作業者の負傷又は疾病」の発生が“合理的に予見可能”であるものについてまず実施します。
リスクアセスメントの実施対象として下記のような項目が考えられます。
- 過去に労働災害が発生した作業
- ヒヤリ・ハット事例として挙がった作業
- 作業者が日常業務において不安を感じている作業
- 事故/故障の多い機械設備を使用する作業
- 操作が複雑な機械設備作業 等
また、下記のような作業についてもリスクアセスメントの実施が必要です。
- 新しい現場で作業を開始するとき
- 作業現場でリスクに変化が生じたとき
★「合理的に予見可能」とは、検討を加えれば現時点で、災害の発生がが予見し得ることをいいます。
★「明らかに軽微な負傷又は疾病しかもたらさない」と予想される場合は、リスクアセスメントの対象から除外しても差し支えないとされています。
軽微な負傷又は疾病とは、医師による治療を要しない程度の負傷又は疾病とされています。
例として、平坦な通路における歩行等が挙げられますが、高齢者等の歩行中の転倒による災害事例もあります。
作業における周囲状況、履物選定等も含めての検討が必要となるケースもあります。
★危険源の発掘においては、使用機械、付帯設備、使用原材料、使用化学物質、作業環境等の危険源(リスク)を洗い出すこととなりますが、これには、定常作業だけでなく、非定常作業及び緊急事態(想定)も含めることが必要です。
危険性又は有害性のある災害を特定するにあたっては、以下の情報等の活用が考えられます。
<c.f.>記事「⑤リスクアセスメント実施の情報の入手について」
- 関係法令等(指針やガイドライン等含む)
- 過去の労働災害/事故発生事例
- 他企業の傾向(他企業の災害事例、作業統計等)
- 各種トラブル事例/改善事例
- 作業標準/作業手順書(危険度の高い作業を重点に)
- 機械の取り扱い説明書/機械等の使用上の警告等
- 機械設備等の作業環境(電気設備や車輌を含むレイアウト等)
- 危険予知活動の実施結果
- 職場内巡視時の指摘事項
- 日頃から危険と感じている設備/作業
- 混在作業による危険性等の情報
- 作業員の省略行動、不注意
- ヒヤリハット情報
- 4S活動情報
- その他の聞き取り内容
- 安全衛生委員会の討議事項
- 必要な資格/教育等の要件
- 作業時間や作業時間帯等
- 作業環境測定結果
- 化学物質安全データシート(SDS)
- 容器等の危険有害性表示