「1人KY」について
「1人KY」とは、単独で作業等を始める前に、少し時間(1分程度以下の短い時間)をとって、これから始めようとする作業の危険点(注意点)についての頭の中で“予知”してみることです。
「1人KY」を実施することで
- 思考、行動の切り替えができる(頭の切り替えができる)
- 作業開始前に危険を発見でき、危険回避の手が打てる機会が増す
という効果が期待できます。
何時でも、何処でも、短時間でできる取り組みやすい安全活動です。
「1人KY」のやり方
次の3ステップとなります。
- 10~20秒程度、自分のこれからやろうとする作業の危険を考える(洞察力を発揮する)
- 危険と考えられる点をピックアップする
- 危険回避の行動目標を決め、指差呼称する
※指差呼称により 意識を集中させる (ウッカリ、ボンヤリに効果的)
指差呼称についての別の記事を参照ください
*具体的実践例1(建築現場の例)
一人ひとりがそれぞれの作業場所において、その都度、いざこれから作業を開始する直前に(作業に面して)
- 短時間に(10秒程度)で
- 物が落ちていないか? 「周囲ヨシ!」
- 落下しないか? 「開口部、手すり ヨシ!」
- 自分の上下、前後、左右に 指差呼称!
*具体的実践例2(“1人KY実践シート”の活用による訓練例)
- 墜落しないか?
- 落ちてこないか、倒れてこないか?
- 挟まれないか、巻き込まれないか?
- 切れないか,こすれないか?
- 転ばないか、踏み抜かないか?
- ぶつからないか?
- 感電しないか、やけどしないか?
- 腰を痛めないか?
- その他の危険は無いか?
※リスクアセスメントによる危険箇所(残留リスクのポイント)のピックアップ!
「1人KY」実施時点
「1人KY」の実施時点は、上記のように個々の作業開始前ですが、下記の時点での実施も忘れないようにする必要があります。
- 作業内容、作業場所を変わったとき
- 不具合を修正したとき(他の復旧条件を忘れていないか?)
つまり、「個々の作業実施前の“1人KY”」として習慣化すべきモノです。
また、1日の作業を始めるに際して、30秒程度、当日予定している作業の危険性を考えることも「1人KY」の実践になります。
※リスクアセスメントによる危険箇所(残留リスクのポイント)のチェック!
「1人KY」実施における留意点
「今日の作業(或いは直面している作業)のどこに危険が潜んでいるか?」と自問自答するのですが、「過去の災害orトラブル事例」を多く知っているとより深く洞察できます。
つまり、組織において過去の災害事例等をデータ化しておき、作業者に提示(或いは教育)できるようにしておくことが効果的です。
また、各事業場に合った「1人KY」のやり方を工夫し1枚もののリーフレットしておくとか、事例を写真等で示すと分かりやすくなります。
注意点としては、形式的にならないように(或いはマンネリ化して、省略行動化しないように)することです。
実施記録を義務づけているような場合、その記載が目的とならないように(実施記録を付けたことが実践したことにならないように)注意しておく必要があります。
「一息置いて」「少しゆとりを持って」「間を置く」「思考の切り替え」等がキーワードとなります。
※リスクアセスメントによる危険箇所(残留リスクのポイント)の把握がベースとなります。