“危険予知” と “ストーリー”

以前読んだ本で、記憶に残っている事故事例があります。
それは、不活性ガス消火設備の起動ボタンを、その機構を知らない人が火災警報用の非常ボタンと間違えて押し、その救助に向かった警備員が死亡したという事例です。
(全国ビルメンテナンス協会:事例に学ぶ労働災害防止第2巻)



この事例をみて、考えさせられました。
自分が関連していたビルとその配置構造が似ていたのです。
出入りも多いし、そのビルを利用する人たちの傾向も似ていました。
このような事故も起こり得るのか!
このような事故の想定まで考え得たか?

事故災害というものは、起こった後に考えれば、
あのような欠陥があったのか!
このようにしていれば防げたのに!
というように具体的に反省することができます。
結果から対応のストーリーは見えてくるのですが---

事故災害が起こる前にそのストーリーを描くことは? 非常に困難です。
でも、いろいろな要因を考えることによって、その対応策をある程度まで深めておくことはできます。
このストーリーの深めがリスクアセスメント展開ということになります
それをある対象事象について体系化できれば、「リスクベースの管理」ということになります。
どのように展開するか? 今後に続く課題です。