“平時の緊急時対応” について

最近よく言われます。大地震が起きたときどうするか?
集中豪雨に出くわしたとき、洪水の危険をどう避けるのか?
ビルで火災に遭遇したとき、どのように行動したらよいのか?
等々---
自然災害、人為災害等の“重大局面”に自分が直面したとき---
パニックに陥ることがあるかもしれません。
自分ひとりで考えなければならない状況になっているかもしれません。
その時は、今までの知識と経験をフルに活用して対処するしかありません。
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日常においても、いろいろな「良からぬ出来事:危険性」の場面が想像できます。
これらの場面の想定に敏感になることは「危険感受性を高める」とも言われます。
これは具体的には、一人ひとりが、自分の周りにおいて、この「良からぬ出来事:危険性」として想定できるものを拾い出していくことから始まります。
いろいろな価値基準で、「良からぬ出来事:危険性」を想定できると思います。
いくつも出てくると思います。
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次に、その「危険性」を日常のパターン、或いは活動の種類等を考慮して、分類します。
そして、それぞれの分類ごとに、各々の「危険性」を重大性の高いもの、発生頻度の高いもの等々の価値基準でクラス分けしていきます。
つまり、「危険性」の階層化です。
この階層化には、いろいろな価値基準を用いることができます。
「重大性」「緊急性」「発生可能性」「経済性」等々です。
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そして、大事なことは「今まで、どう対応していたのか?」を考えてみることです。
つまり、いちど“自己に反省してみる”ことです。

そして次に、ではどうしたら良いのか、よりベターな状態にもっていくにはどうすれば良いのかを考えることです。
いろいろな方法を考えることができると思います。
まず、法規則等ではどのような決まりになっているのかを調べることが重要かもしれません。
人の注意に期待するよりも、物理的な環境を変えた方が以後の対応が楽になるかもしれません。
いろいろの危険性の軽減策を考えて実施してみることです。
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しかし、いろいろと努力してみても、危険性は残る場合が多いと思います。
その場合は、“人による対応”に頼らざるを得ません。
つまり、“教育/訓練”或いは“注意喚起”等の実施となります。
よく行われている下記のような活動もこれに含まれます。
各種危険作業の教育
火災訓練、避難訓練、通報訓練、誘導訓練 ---
交通安全運動、火災予防運動、各種労働災害防止運動 ---
見える化 ---
そして、そのような危険な局面に対応することとなった時の準備のために、「日常における“危険予知訓練”」が必要となります。
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しかしもし、上記のような日常の努力にもかかわらず、自分がまさにその局面に遭遇することとなったとき!
その時には“今までの知識と経験”をフルに活用して、その局面における状況下で精一杯の対応をするしかなくなります。


治に居て乱を忘れず
事前の一策は事後の百策に勝る
これらの言葉は最近あまり言われなくなりました。
現実には、解っていてもでき難いのも事実です。
不安を抱えながら日々を送っていると言ってもいいかもしれません。

手を変え品を変え、何度も何度も言われています。
心のどこかで「陳腐」だと一蹴されてしまいがちな、しかし人生を決定づけるほどの重要な課題です。
これからも、いろいろな角度から何度も何度も繰り返して頭の中に刷り込み続けないと腑に落ちるようなものではない課題です。

 

※良からぬ出来事:危険性≒リスク