今まで、経済アナリスト藤原直哉氏の企業文化論について記してきました。
どのような企業文化の組織に身を置くかということは、そこで働く人の人生に大きく影響します。
そして、その企業文化において決定的に大事な要素は「リーダーシップ」です。
藤原先生は、「建設的な文化をつくるために具体的にどうすればいいのか?」について、「建設的文化をつくるサイエンス」として、この“リーダーシップ論”についても言及されています
前号では、「“リーダーシップの技術体系”9項目」のうち、「⑨戦略的思考技術」を記しました。
今回は「リーダーシップ論のマトメ」として、藤原先生が示されている関係図を記したいと思います。
リーダーとは、組織を成功に導き、効率的に運営していくための燃料である。
リーダーに課された使命をまとめておこう。
メンバーの一人ひとりがプロとして成長し、かつ個人と組織が同時に向上し、さらには常に学び続けることの大切さを知ることによって、組織の未来を形づくっていくことなのである。
リーダーシップの技術 | → | 企業文化 | ← | リーダーの素質 |
↓ | ||||
風通しのよい会社 |
【企業文化】
- 達成文化
- 自己実現文化
- 人間性促進文化
- 提携文化
【風通しのよい会社】
- メンバー一人ひとりの参加意識が高い
- 顧客の期待に応えられる
- 急激な社会変化をリードできる
- メンバーが自発的なチャレンジ精神を持っている
【リーダーの素質】
- 誠実で何事にも首尾一貫
- 他人を尊重し大事にする
- 自尊心と自信を持っている
- 自分で自分のヤル気を呼び起こせる
- 他人の話を聞いて反省し学べる
- 曖昧や不確実性に耐えられる
- へこたれない
- 視野が広い
- 喜んでリスクを取ることができる
- 技術的な能力が備わっている
- 管理能力が備わっている
【リーダーシップの技術】
- 意思決定
- コミュニケーション
- コーチおよび教育訓練
- 動機づけ
- 問題解決
- チームづくり
- 対立解決
- 企画組織化
- 戦略的思考
再度、挙げられた事項をみてみますと、できそうでいて難しい内容です。
しかし、その方向への努力はしていけるはずです。
利己心(自我)を抑えなければならないこと、日々反省しなければならないことも多く起きると思います。
そして、これらが一つひとつレベルアップした(できた)人が優れたリーダーであり組織人になるということです。
『中小企業白書』によりますと、自営業個人事業者の所得は、段々と厳しい状況になっているとのことです。
このような状況に、どう対処したらよいのでしょうか?
なにかヒントを得ようと老舗の経営に関する本を読んでみました。
そこに書かれていた老舗の経営の要約に
「倹約」「忍耐」「陰徳」「中庸」等といったような道徳性の項目とともに、「企業市民」「革新」「人づくり」という項目がありました。
それらは、家訓等によりリーダーシップ論として示されていているように思います。