エントロピー増大の法則について

「エントロピー」という言葉、意味不明に近い状態で、学生時代から聞いていました。
古い付き合いになります。
改めて確認してみると、「情報理論」のテキストに出てきます。
数式で示されていて、今となっては手に負えません。

ところが「エントロピー増大の法則」として、
「ものごとは乱雑な方向に進む」
とか
「秩序だった状態から無秩序に変化する」
ことを表現し、
「熱力学第二法則」のことを意味している
と説明されると分かります(分かるような気がします)。

☆「熱力学の第二法則」を、高校時代の物理参考書 物理精義(下巻)培風館 で調べてみますと---
熱力学においては次の二つの重要な法則が経験的基礎事実として認められている。
熱力学の第一法則(エネルギー保存の法則)
『エネルギーは、これを無から発生させたり、消滅させたりすることはできない』
熱力学の第二法則
『熱はこれを外部になんらの影響も残さず、低温の物体から高温の物体へ移すことはできない』
とあります。
☆「エントロピー」とは無秩序な状態を示す数値!

つまり、エントロピー増大の法則は自然の摂理を説明しています。
『上から下へとモノは落ちる』『形あるモノは壊れる』---
そしてこれは、「(外部から)エネルギーを加えれば、この自然の法則に抗することができる」とも解釈できます。

こう考えてみると、途端に興味が湧いてきて面白くなりました。
想像が広がります

私たちは、このエントロピー増大の法則に逆らって日々頑張っています。
坂道で落ちてくるボールを、落ちないように押し上げるように努力をしています。
生活の秩序を維持するために日々努力しています。
勤勉に仕事に励んでいます。
老化防止のためにサプリメントも飲んでいます。
部屋ではヒートポンプが頑張っています。
(ヒートポンプのエネルギーを切れば、部屋の温度は熱力学の第二法則に従います)

「落ちないように努力せよ、出来ればもっと向上するようにせよ!」と孔子先生が教えてくれています。
一方、老子先生が横にすわって「無為自然」の目でながめています!

 

安全管理でよく使われる言葉があります。

  • 「人は誤り、機械は壊れる」
    エントロピー増大の法則です。
    これを前提に安全策をとっていきます。
  • 「守り難いルール」
    人間特性に合わない(不自然な)ルール守られないし、事故を誘発し、また能率低下を来す。
  • 「フェールセーフ」
    フェイルセーフ技術はこの自然の摂理を利用しています
    安全が確認できなくなれば、エントロピー増大の法則に従って無秩序安全の側に固定するのが「本質安全化」

几帳面で頑張る性格がもとで仕事に追いつめられているような人は、その頑張りを少し止めて、この法則(自然の摂理)に身を任せてみれば---
「ふっと、息が抜けるのではないか」と感じます。