視覚による異常表⽰とともに、⾳による異常表⽰も使われますが、これも「気づかない」「意味がわからない」というような問題点があります。
早稲⽥⼤学の⼩松原明哲先⽣はその著書で「アラームは鳴ればよいというものではない」として次のようなポイントを⽰されています。
①加齢とともに⾼⾳が聞きにくくなる
年をとると1.5kHz以上の⾳が聞き取りにくくなる。
つまり、⾼齢作業者のいる職場では、⾼⾳域のアラームだと、気づかれない恐れがある!
②作業背景⾳に埋もれる
周囲の騒⾳にアラームが消されてしまう。
これは⽇常的に経験する「聞き取りにくさ」です。
「もっと⼤きな声で⾔って」というようなパターンです。
③複数のアラームの識別ができなくなる
複数のアラームが同時に鳴ると、いったいどの機器のアラームなのか判らなくなります。
また、同時に鳴らなくとも、そのアラームの種類が多いと、どれがどの機器のものか識別できなくなります。
最近の家電製品のピーピー鳴る電⼦⾳は特にそのように感じます。
特に、「警報」に近い意味を持つ⾳と、「お知らせ」に近い意味を持つ⾳が同じような⾳では問題です。
④アラームがうるさい
アラームは本来うるさいものです!
それも、異常発⽣時に同時に多数のアラームが鳴り出したのでは、⼼理的に圧迫を受けますし、何にどう対応したらよいのかパニックになってしまいます。
ましてや、トラブルシューティングしているときに、うるさいアラーム⾳が鳴り続けていたり、或いは新たなアラームが別の鳴り出したりしたのでは、パニック度も増します。
うるさいのでリセット(消⾳)して、直⾯する事態に異常対応していて、リセットしたのを忘れてしまい事態をより⼤きくしたという例もあります。
リセット(消⾳)時には、注意ランプが点灯するようになっている例もありますが、⼩さな⾳にして継続させるという⽅法もあります。
−−⾝近な例ですが、電⼦レンジで調理後出し忘れていると、時間をおいて⼩さな⾳で「ピッピッ!」と鳴って出し忘れを知らてくれます。