リスク低減対策を実施しても、技術上の問題等で、下記例のような管理を必要とするリスクが残ります。
- 「工学的対策」を実施しても、安全装置の無効化、検知器の故障等のリスクが残ります。
- 「管理的対策」を実施しても、 マニュアルが守られない等のリスクが残ります。
- 「個人保護具の使用」等においても、適切な保護具が適切に使用されない等のリスクが残ります。
この残ったリスク(残留リスク)は、作業関係に多く、日常の安全管理活動における重点項目となります。
残留リスクをどのように管理し、把握しているリスクが災害に結びつかないようにするかが重要な課題になります。
先ずは、リスクアセスメントの実施記録をもとに、リスク管理台帳を作成して、その内容を作業者等に周知し、関係者間においてリスクの共有認識を持つ必要があります。
それに加えて、「作業手順書に残留リスク対策を盛り込む」「残留リスクのある場所や内容の“見える化”」「残留リスクに対応するための教育の再徹底」「残留リスクを考慮したKY・指差呼称の実施」「保護具の使用の徹底」等の、残留リスクを明確化した日常における安全管理活動が必要となります。
従って、下記のような日常における安全管理活動の継続が必要となります。
- リスク管理台帳を作成して、いつでも確認できるように情報の共有化を図る。
- 残留リスクの内容を及びその対策を現場へ十分周知すること。
(関係者間で、残留リスク情報をの共有する) - 必要に応じて、作業手順の見直しをする。
(残留リスクの対策を盛り込むこと) - 残留リスクのある場所やその内容について掲示・表示(見える化)する。
- 残留リスクに対応するための教育及び訓練を徹底する。
- 残留リスクを考慮した“危険予知活動” “指差呼称” 等により、常に残留リスクを意識できるようにする。
- 残留リスクに対応した適切な保護具を適正に使用することを徹底する。
- 特に重大なリスクが存在している作業については、許可制等により関係者以外の危険区域への侵入を防止する等の措置をとる。