2015年8月11日、中国天津市での爆発事故の映像が次々とテレビ画面に映し出されていました。
このような大規模でな爆発事故を見るのは、映画以外では初めてです。
2001年9月11日同時多発テロ事件のニューヨーク世界貿易センタービル崩壊事故、
2011年3月11日の東日本大震災による福島第一原子力発電所の炉心溶融事故
以来の人工物の破壊衝撃映像でした。
この天津爆発事故については下記のような記載があります。
- 120人を超す死者と大勢の行方不明者、負傷者。(死亡者の中に消防隊員が多いとのこと)
- 周辺の建物2万戸が損壊
- 倉庫にあった金属ナトリウムに放水したため被害が拡大
(倉庫関係者と消防隊の連携不足による初動対応の誤り) - 化学物質による環境汚染が気がかり
- 何故、住宅街に猛毒&多量の危険物等の保管倉庫が認可されたのか
- 爆発の原因となった化学物質名もその貯蔵量も不明の状況であった 等々
この事故についてはその後判明したいろいろの事実については新聞等で論じられているのでこれ以上深入りは控えます。
因みに、過去の化学物質によるこの天津爆発事故に匹敵するような大事故は中尾政之氏の「失敗100選」によりますと
- イタリアの化学工場での「セベソの農薬工場でのダイオキシン爆発(1976)」
--トリクロロフェノール製造後、冷却水を流さず反応が暴走。反応器が破損。
ダイオキシンを放出、飛散。
22万人に被害。 - インドのボパールでの「イソシアン酸メチル放出(1984)」
--殺虫剤製造中、中間タンクに違法貯蔵のイソシアン酸メチルと洗浄水が反応し、連鎖反応が起こり、タンクが破裂。
55トンのイソシアン酸メチルの毒ガスが漏出。
3,828人が死亡、20万人が負傷。
が記されています。
爆発事故としては、この天津事故は筆頭に挙げられるのではと思います。
また、日本においても最近爆発事故の発生情報に時々接します。
厚生労働省の資料によりますと
全業種において爆発火災で、毎年180人ほどが災害(休業4日以上)に遭い、うち20人が死亡しているそうです。
(上の数字は労働災害に限られており、消防庁の資料も含めますともっと増えるものと思われます。)
日本においては、過去において、重大事故発生の度に法規制が強化されてきていますが、発生件数は横ばい状況で、減少していないようです。
そして、1ヵ月しか経っていないのですが--。
この天津爆発事故が遠い過去の出来事のように感じられます。
その1ヵ月の間に、いろいろな事件事故が発生し、また大きな自然災害もありました。
情報過多、情報マヒということでしょうか?
身の回りに危険がいっぱいということでしょうか?
社会の様子が大きく変わっていると感じられる現在、
個々での危機管理対応がより求められているように感じます。
個々企業、個々人への危機感受性の高め、変更管理への対応が求められていると思います。
中国の昔の偉人の教えに「格物致知治国平天下」というのがありますが、
その前半分「格物致知」つまり「ある問題に注意を向けて、それを課題として、その成す要因の理を知れ」ということでしょうか。
先ずは、個々から始めよ(平和ボケから目覚めよ!人に頼るな!自己に反省せよ!)という教えでしょうか?
このような自己の記録を残しておかないと、自分自身からもこの大事故が消え去ってしまう(つまり教訓に出来ない)という感受性マヒの危険を感じます!