“安全文化” について ③

<トップの率先垂範>

前号に続いて--
長年企業の安全活動に携わられたある先輩は言われます。

「しかしながら、生産、品質、カイゼンなど目の前の問題に日々取り組む中で、滅多に発生しない災害の防止のために活動するだろうか?
答えは「否」である。」
「『品質=Quality、コスト=Cost』は日々現場で見えるし、現場が一生懸命になるが、安全は言い続けなければ活動・意識は低下するものだ。」

つまり、「安全管理」はトップが言い続けなければいけないということです。
このトップの言い続けるという「トップの強い意思表明の継続」がキーポイントとなるということです。
真に大事なことは、トップ自らが言い続けなければならない。
これがリーダーシップの基本姿勢ということです。
そしてこれは、トップの経営理念(信念)は、トップ自ら言い続けられなければならないということにもつながります。

先輩のひとこと
「トップが現地現物で実践している会社は良い会社と考えている。」

 

<安全管理活動を活かす>
先輩は続けます。

「けが・疾病をなくすためだけの活動ではなく、安全をキーワードとした人づくり・職場づくりをしよう」
「“けが・疾病は、職場(会社)の問題の代表特性”であり、その真の原因を取り除く活動が安全衛生分野から発信されるべき」

つまり、労働災害(あるいは労働災害につながるかも知れない事故・故障・トラブル)が発生するということは、その会社が潜在的な問題を抱えていると考えることができ、その「真の原因(経営の核心)」へ踏み込んでいく必要があるということです。
この安全管理活動の深めが、人づくり・職場づくり(会社づくり)につながっていくということです。

災害だけでなく、“事故・故障・トラブル”そして“エラー”まで含めて活動を展開していくことに安全管理活動の意味があり、それは経営管理の核心の改善にも及ぶということです。

 

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