「リーダーシップ論」について ④

今まで、経済アナリスト藤原直哉氏の企業文化論について記してきました。
どのような企業文化の組織に身を置くかということは、そこで働く人の人生に大きく影響します。

そして、その企業文化において決定的に大事な要素は「リーダーシップ」です。
藤原先生は、「建設的な文化をつくるために具体的にどうすればいいのか?」について、「建設的文化をつくるサイエンス」として、この“リーダーシップ論”についても言及されています

前号では、「“リーダーシップの技術体系”9項目」のうち、「②コミュニケーション技術」を記しました。
今回は「③コーチおよび教育訓練技術」について、藤原先生の示唆を挙げたいと思います。


理想的な教師は生徒のために道を開くが、生徒を引っ張っていくことはせず、自分の力で前に進めるように促すものだ。

チームにおいても同様に、コーチは良い業績と成長をもたらすことを目的とするが、大切なことはメンバーが自分自身の強さの上に自分をつくっていけるようにすることである。
そのためには、コーチはメンバーを気遣い、個人的な関係を結ぶために時間をとることである。
具体的には、下記のような事項が挙げられる。
・チームの各メンバーが成長していくことに個人的な興味を持っている。
・間違いを喜んで認め、間違いをプロとしての成長の機会と捉える。


コーチングとは、
「対話によって相手の自己実現や目標達成を図る技術であり、相手の話をよく聴き(傾聴)、感じたことを伝えて承認し、質問することで、自発的な行動を促そうとするコミュニケーション技法。」とされています。
人の成長を導く手法です。
「チームのメンバーが成長していくことに興味を持っている」ということは、人への思いやりです。
また、チャレンジを促すということは、それによる間違いを受けとめるということでもあります。
同じ原因による間違いの繰り返しは問題ですが、成長のための間違いを上司の立場の者がどう受けとめられるかです。

なお、トヨタ自動車では、社内で「失敗」という言葉は使わないそうです。
「失敗」の代わりに「問題」や「課題」という言葉を使うそうです。
「失敗」は「失い、敗れる」ということで失地回復できないが、「問題」や「課題」という言葉には、原因を突き止めて解決していくという意味合いがあるとのことです。

教育については深く触れられていませんが、コーチングの一貫として、「知ること」「できること」「やること」の知識・技能・自主性のレベルに応じた柔軟に対応できる教育手法の活用も当然に含んでいるものと解します。

 

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