今まで、経済アナリスト藤原直哉氏の企業文化論について記してきました。
どのような企業文化の組織に身を置くかということは、そこで働く人の人生に大きく影響します。
そして、その企業文化において決定的に大事な要素は「リーダーシップ」です。
藤原先生は、「建設的な文化をつくるために具体的にどうすればいいのか?」について、「建設的文化をつくるサイエンス」として、この“リーダーシップ論”についても言及されています
前号では、「“リーダーシップの技術体系”9項目」のうち、「⑤問題解決技術」を記しました。
今回は「⑥チームづくり技術」について、藤原先生の示唆を挙げたいと思います。
「チームづくり技術」は、メンバーが相互に信頼しあい、尊敬しあい、オープンで正直に話しあい、皆で責任を共有し、持続的な改善に向けて強い団結を築くために必要なものである。
チームは単にそれ自身からは生まれず、リーダーシップによって個人の実績・経験・個性が相乗効果を生み、生産的かつ結合力の高いチームになるのである。
チームづくりの技術は次のようなものである。
- チームの成功に対する個人の貢献を認め、報いる。
- チームの成功に向けて責任を分担できるようにメンバーに権限を与える。
- メンバーに影響を及ぼす計画や決定を行う際には彼等に相談し、情報や考え方、或いは解決方法を話しあう。
「チームは単にそれ自身からは、生産的かつ結合力の高いチームは生まれない」
「リーダーシップによりメンバー個人の実績・経験・個性が相乗効果的に生かされて、生産的かつ結合力の高いチームとなる」
と説かれています。
良いチームづくりには、リーダーの能力・品性が大きな位置づけになるということです。
ある有名コンサルタントが、「中小企業においては、経営トップの意に反する(「好まない」或いは「興味の無い」)提案をしても、最終的には成功しない確率が非常に高くなるので、そのような提案はしない」と語られていたことを覚えています。
組織文化は経営トップにより方向付けられます。
このことは決定的であり、ナンバー2以下の人が(その権限をナンバー1の人から全面的に移譲されていない限り)いくら異方向に頑張っても最終的にムダに終わってしまうくらいの重要なポイントだと思います。
組織への「“安全文化”の定着」においてもこのことは決定的に重要です。