「リーダーシップ論」について ⑧

今まで、経済アナリスト藤原直哉氏の企業文化論について記してきました。
どのような企業文化の組織に身を置くかということは、そこで働く人の人生に大きく影響します。

そして、その企業文化において決定的に大事な要素は「リーダーシップ」です。
藤原先生は、「建設的な文化をつくるために具体的にどうすればいいのか?」について、「建設的文化をつくるサイエンス」として、この“リーダーシップ論”についても言及されています

前号では、「“リーダーシップの技術体系”9項目」のうち、「⑥チームづくり技術」を記しました。
今回は「⑦対立解決技術」について、藤原先生の示唆を挙げたいと思います。


「対立解決技術」はメンバー間もしくは組織の中に生まれてくる不可避的な対立を処理するためにある。
リーダーは対立の背景にある彼等の要求を理解し、そこから生まれる創造的な緊張から純粋なコンセンサスを生み出さなければならない。
そのために、

  • 対立に踏み込んでいく。
    すなわち対立を個人の、そして組織の成長の機会だと捉える。
  • 状況・問題・行動に焦点を当てる。
    人に焦点を当てない。
  • 自信を保ち、提案するときにも人の自尊心を尊重する。
  • 対立している状況でも建設的な関係を保つ。
  • 対立があるときには、皆で合意できる前提条件を探す。

対立解決技術として、上記項目がピックアップされていますが、話し合いができている状況を維持できるのがリーダーシップということでしょうか。
調整」が管理のなかで果たす役割は大きいとされています。
統制よりもいかに調整するかを重視した方が管理の強みを発揮する」とも言われています。

小山昇氏は、「コトを叱って、人(人格)を叱らない」と言われていますが、「人ではなく、状況・問題・行動に焦点を当てる」という意味です。

また、船井幸雄氏は下記のような記事を書かれています。
「人は、誰でも謙虚な人が好きだ。
自分を認めて受け入れてくれ、好きなことを言わせてくれるのだから当然である。
こういう人とは誰もが付き合いたいと願うし、またこういう人のためにはあらゆる便宜を惜しもうとは思わない。
--組織には、こういう人が絶対に必要である。」

ローズガーデン