JR東日本 停電事故(20170905)

停電の「波及事故」が発生すると、周辺地域を含め多くの人に影響します。
また、受変電設備を管理する者にとっても重大事態です。

今年(2017)の9月5日に発生した「JR東日本停電事故」は、運営管理担当者一人のヒューマンエラー(手順を間違えた)が社会に大きな影響を及ぼしました。

■当時のニュースを2、3ネットで見ますと(発信時刻は前後しています)


【首都圏のJR、大規模停電 変電所で作業ミス】
(毎日新聞2017年9月5日 東京夕刊)

5日午前10時ごろ、JR京浜東北線蕨(わらび)駅(埼玉県蕨市)近くにあるJR東日本の変電所でトラブルが起き、首都圏のJR線で大規模な停電が発生した。
この影響で山手線や常磐線、埼京線などが一時運転を見合わせた。
同10時40分ごろに全線で運転を再開したが、各線で遅れが生じ、約4万1000人に影響が出た…

【JR東日本で停電 原因は作業員の操作ミス】
(2017年9月5日 14:19 日テレニュース)

5日午前、JR東日本管内で発生した停電の影響で、複数の路線で一時運転を見合わせたが、停電の原因は変電所の作業員の操作ミスだったことがわかった。
JR東日本によると、午前10時頃から停電の影響で、山手線・京浜東北線・埼京線・高崎線・宇都宮線・湘南新宿ラインの上下線で、最大で40分にわたって運転を見合わせ、一時、混乱する様子も見られた。
午前10時40分までに運転は再開されたが、4万人に影響が出ており、午後1時半現在も東海道線などで遅れが出ている。

埼玉県蕨市にある変電所で点検・修繕作業中、作業員が操作を誤り、停電になったという。
また、停電のため、JR浦和駅の地下にある発電装置を作動させようとしたところ、煙があがるトラブルも起きた。

【機器の誤操作が原因 首都圏7路線で大規模停電】
(毎日新聞2017年9月5日 21時28分 最終更新 9月6日 03時42分)

首都圏を走る山手線や京浜東北線などJR東日本の7路線で5日午前、大規模停電のため電車が一時運転を見合わせたトラブルで、JR東は、埼玉県蕨(わらび)市にある同社変電所で作業員が機器の操作を誤り、電流の異常を感知して電気が止まったことが原因と明らかにした。
停電は午前10時ごろに発生。
山手線▽常磐線の快速電車▽埼京線▽京浜東北線▽宇都宮線▽高崎線▽湘南新宿ライン--の7路線で、最大で約40分間運転を見合わせた。
計75本の列車が遅れ、約4万1000人が影響を受けた。
停電で駅と駅の間の線路で止まった電車もあった。
一部の駅ではエレベーターが停止して乗客が閉じ込められ、改札機や券売機が一時利用できなくなった。
けが人や体調不良を訴えた人は把握していないという。
JR東によると、5日午前、変電所の電気回路を点検しようとした作業員が手順に反して、電気を止めないまま作業を開始。
地面に過大な電気が流れたため、センサーが異常を感知して自動停止し、電気を供給できなくなった。
この変電所はJR東に18ある基幹変電所の一つで、複数の変電所を通じて埼玉県や東京都心を走る各路線や駅に電気を送っている。
このため蕨市の変電所でのトラブルが、都心の路線にも影響した。
作業は、JR東の関連会社「東日本電気エンジニアリング」が担当。
JR東は作業の指示や管理が適切だったかどうか詳しく調べる。

【手順踏まない作業ミス=大規模停電の原因-JR東】

首都圏を走るJR東日本の7路線が停電で運転を見合わせたトラブルで、同社は5日、基幹変電所で機器を点検した際に定められた手順を踏まないミスがあったと明らかにした。
作業は同社社員ではなく、下請けと孫請けの計9人が担当。
手順書通りであれば起きない事態だといい、同社は作業員の間で指示ミスや勘違いがあったとみて、詳しく調べている。

冨田哲郎社長は同日開かれた定例会見で「深くおわびする。原因を究明し、再発防止に万全を尽くす」と謝罪。
バックアップの在り方を含めて検証する考えを示した。
JR東によると、トラブルは同社の基幹変電所の一つ「蕨交流変電所」(埼玉県蕨市)で起きた。
電気を遮断する機器を点検する際、本来であれば2本の電源のうち1本を停電した上で、2本を切り離さなければならないところ、いずれも行わずに作業を開始。
異常が感知され、2本とも電気供給が止まった。
この結果、蕨交流変電所から電気供給を受けていた山手線や京浜東北線など7路線が運行を停止。
東京や浦和など14の駅でも一時停電した。(2017/09/05-19:36) 関連ニュース

 


個々の事故状況についての詳細は不明ですが、一つのミスで関連した箇所に影響が波及しています。
会社としても、そのようなことのないよう、操作者の資格化、教育訓練をしていると思います。
それでもこのような事故が起こります!
このような例は、“人に安全を託す” からには出てくるものです。
そのような危険性は社会の中に多く潜在しているということは認識しておく必要がありますが、少しでも減らす努力も必要です。

また、異常事態が発生した場合の対応においても、予見し得る異常に対しては事前準備を充実させておく必要がありますが、人は異常時には判断を誤りがちです。
その異常時判断の一部にAI(人工知能)を活用するというパターンも近い将来見えてくると思われます。
特に一人作業には、必要と考えます

 

最近、数時間ですが電気が無い生活を経験しました。
配電柱の変圧器電源側高圧線が切れていました(疲労によるもと思われます)。

高圧線が垂れ下がっている

 

 

 

 

 

 

近所の人たちも出てきて、手持ちぶさたです!
電力会社の機動班出動で2時間40分後に復旧しましたが、その間はある意味ストレスでした!
電気依存症(中毒)です!

 

☆もう30数年も前になりますが、当筆が管理を担当していました事務所ビルで停電事故が発生しました。
数時間にわたり事務所内テナントの業務は停止しました。
県外に出張していた当筆が現場に駆けつけた時は、電気室に大勢の関係者が集まっていたことを思い出します。
受電設備の変成器よりの漏電が原因で、メーカー不良品という結論で終息しましたが、当事者(電気主任技術者)として苦しい思い をしたことを思い出します。
現在は、数分の停電でも重大事態として、関係者が責められるケースも増えてきていると推察いたします。

 

鳴門の双耳峰201710

鳴門の双耳峰201710