照ノ富士の優勝

最近、大相撲にはそう興味もなく、サラリと見る程度だったのですが---
7月場所においては、幕内下位の照ノ富士の活躍で注意度が上がりました。

もと大関で、横綱をも狙っていた力士なので、相当な地力はあるのでしょうが、ケガで最下位(序二段)まで落ちて、過去の人になっていました。
しかし、ケガが治るにつれて、幕内下位(17枚目)まで復活し、現在注目度ナンバーワンの大関朝乃山と互角の相撲で勝利し、そして優勝です。
このような復活ストーリーは興味を引きます。
それも、最高位から最下位という振幅での復活です。

序二段まで下がるということは、待遇面での厳しさだけでなく、上位力士への配慮も求められたことと思います。
大関であった者が新入りの力士の世話に当たるという場面もあったかもしれません。
師匠等周りの精神面でのバックアップがあったとのことですが、本人の心境は如何だったでしょうか--。
「辞めたいと思ったこともあった」といいます。
それらを乗り越えて、我慢すること、そして“続けること”の意味を教えてくれています。

報道記事にも---


大関時代からさらに一回りも二回りも心身の成長した姿が印象的でした。
ひざのけがなどに苦しむようになってからはその圧力が影を潜め不十分な体勢からの投げに頼るなどなかなか本来の相撲を取ることができていませんでした。
一時は、しこも踏めない状態までけがが悪化したが、回復に伴い少しずつ稽古を再開する中で、みずからに必要なことを理解していました。
そして、2年半ぶりに幕内で迎えた今場所の相撲は、どれだけ地道な努力を続けてきたかを十分にうかがわせるものでした。
強引とも見えた大関時代の取り口とは異なり、自分の体勢になれなくても簡単に下がらない辛抱強さも持ち合わせていました。
12日目には、押し相撲の実力者で優勝経験のある玉鷲から張り手混じりの激しい突き押しを受けながらも前に出続けて寄り切った相撲には、苦しい時期を耐え抜いてきた精神面での成長がかいま見えました。
圧巻だったのは13日目、新大関・朝乃山との一番です。
右四つを得意とする力士どうし、がっぷり四つに組み合ったことで逆に両者の地力の差が明確になりました。
左上手がやや深い位置になってしまった朝乃山に対し照ノ富士は、低い体勢から前みつ付近をがっちりつかみ、うまく相手の上手を切りながら十分な体勢を作って寄り切り完勝でした。
持ち前の力強さと培ってきた四つ相撲の技術がかみ合い、かつての自分のように番付を駆け上がってきた若い大関を真っ向勝負で破ったのです。
5年ぶりの優勝を決めた直後、「続けてきてよかった。最後にこうやって笑える日が来ることを信じていた」と浮かれることなく、これまで歩んできた道をかみしめました。
「5年前はイケイケの時に優勝したが、今は慎重に1つのことに集中してやってきた」と続けたことばは、「やんちゃ」とも言われた大関時代から一回りも二回りも心身が成長した今場所の姿を象徴していました。


とあります。

白鵬の体力の衰え

さすがの大記録横綱、相撲上手で敏捷性もあります。
他の力士とはワザの切れも違うし、立会いの駆け引きも上手です。
土俵でのマナー、勝ちに拘るようなかちあげ等、首をかしげる面もありましたが、他の力士よりも多く研究している様子が見え、さすがと感じています。
しかし、今は体力的な不安が付きまといます。
15日間の取組みのうち、「いつ頃体力的にきつくなるか?」という感が出てきます。

朝乃山への期待

周りが期待過剰で騒ぎすぎないように--
との思いが出てきます。

他に若手の実力者も多く出てきています。
世代交代の時期
照ノ富士がそこへ如何に割り込み、自分の地位を再び築いていくか?
9月場所は少し楽しくなってきました。