2014年05月23日 NHKラジオの「ビジネス展望」で
経済アナリスト 藤原直哉さんが
「物価上昇で変わる日常生活と企業経営」と題して話されていました。
いつものように歯切れのいい口調です。
<現在の状況として>
- 生活環境がさらに悪くなると思っている人が多いのではないか
- 世界においても不景気が広がって安全保障上の問題も出てきている
- 不景気/物価高/金利急騰の懸念
- 規制緩和で景気が良くなることはない
- リーマンショック後の2番底を迎えつつある
<ではどうしたらよいのか>
- これからは「黙って座っていても景気がよくなることはない」ということをよく理解する必要がある。
- “自力”による戦略転換がどうしても必要になる
この戦略転換の柱は「“量”から“質”へ」
「安いから買う」「安いからたくさん作る」はできなくなる。
これは、消費者であれば、熟練度を上げ、質を見る目を高くすること。
企業であれば、安く大量に作って売るとか、安値で参入するとかのコスト削減と量の拡大の企業戦略を放棄し、顧客との長い関係の維持とイノベーションの追求によりニーズ対応/品質重視等きめ細かな対応へと転換していかなければならないということ。
今までのような「リストラ」と「統制」だけでは、企業はあっという間に行き詰まってしまう。
<まとめ>
- 日本の産業の衰退は顕著、財政赤字もひどい。
この20年間「物価下落」にあぐらをかいて、イノベーションがなかなか進まなかった。 - これを大転換して品質の時代へ向かう必要がある。
- そして、品質の時代は、多様性 熟練性 イノベーション 改善等が重視されるようになる。
それは、企業も家族も長い時間をかけて共に成長していかないと達成できない。
教育も大事になる。
昔であれば、「貧しい生活に戻る」ということを意味していましたが、今は正反対でむしろ質を見る目が高くなって熟練度を上げた生活を重視するようになったということだと思います。
モア&モアを追求してきた社会の大きな転換点であり、我々の価値観も転換する必要があるということです。
藤原先生は、長野県飯田の遠山郷で藤原学校も主催されているそうです。
遠山郷のような限界集落といわれる場所に、次なる価値を認めて新たな主張をされています。
会社の名前も「シンクタンク藤原事務所」から「(株)あえるば」に変えられたとのことです。実践を重視するお名前です。
この記事から10年(2024年6月)
藤原先生のご指摘はそのまま現在にも通じると思います。
(いや、むしろ強く求められているとも--)