「安全衛生方針の表明」については、以下の解説がなされています。
(1)労働災害防止のためには、事業者自らの安全衛生に対する姿勢を明確にすることが必要であることから、事業者が安全衛生方針を表明し、労働者及び関係請負人その他の関係者に周知させること。
事業場のトップ(事業場等の業務を統括管理する責任者)のOSHMSを運用する際の基本理念を示すものとして、安全衛生方針の表明が必要です。
この、安全衛生方針は、生産管理等を含む事業場すべての業務の責任者がOSHMSを運用していくうえでの経営方針の拠り所となります。
また、安全衛生方針は、事業場としての安全衛生に関する姿勢を社内外に公表するという性格も持っています。
(2)安全衛生方針に盛り込むことが必要な事項として具体的に下記事項が示されています。
- 労働災害の防止を図ること。
「労働災害の防止」「リスクの低減」などの内容の記述 - 労働者の協力の下に、安全衛生活動を実施すること。
「労働者との協議」「全員参加」などの内容の記述 - 法又はこれに基づく命令、事業場において定めた安全衛生に関する規程(以下「事業場安全衛生規程」という。)等を遵守すること。
「法規制および規程等の遵守」に関する記述 - 労働安全衛生マネジメントシステムに従って行う措置を適切に実施すること。
「OSHMSに規定した事項の実施」に関する記述
(3)「労働者」には、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和60年法律第88号)第45条各項の規定により事業者が使用する労働者とみなされる派遣中の労働者(建設労働者の雇用の改善等に関する法律(昭和51年 法律第33号)第44条の規定により派遣労働者とみなされる送出労働者を含む。)を含むものであることとされています。
(4)「方針の労働者、関係請負人その他関係者への周知」の方法には、次に掲げるものが例示されています。
- 安全衛生方針を口頭、文書、電子メール等により伝達すること。
- 文書の掲示若しくは備付け又は事業場内コンピュータネットワークでの掲示等により、安全衛生方針をいつでも閲覧可能な状態にしておくこと。
安全衛生方針の表明だけでなく、関係請負人等へ周知し、内容を理解してもらう手段を複数設けておく必要があります。
(安全衛生方針の表明)
第5条 事業者は、安全衛生方針を表明し、労働者及び関係請負人その他の関係者に周知させるものとする。
2.安全衛生方針は、事業場における安全衛生水準の向上を図るための安全衛生に関する基本的考え方を示すものであり、次の事項を含むものとする。
- 労働災害の防止を図ること。
- 労働者の協力の下に、安全衛生活動を実施すること。
- 法又はこれに基づく命令、事業場において定めた安全衛生に関する規程(以下「事業場安全衛生規程」という。)等を遵守すること。
- 労働安全衛生マネジメントシステムに従って行う措置を適切に実施すること。