⑮ 労働災害発生原因の調査等について(OSHMS指針)

「労働災害発生原因の調査等」については、以下のようにOSHMS指針および解説等が示されています。

(労働災害発生原因の調査等)
第16条 事業者は、労働災害、事故等が発生した場合におけるこれらの原因の調査並びに問題点の把握及び改善を実施する手順を定めるとともに、労働災害、事故等が発生した場合には、この手順に基づき、これらの原因の調査並びに問題点の把握及び改善を実施するものとする。

(1)労働災害、事故等が発生した場合の原因の調査並びに問題点の把握及び改善を実施する手順が定められていること。

労働災害、事故等が発生した場合に、その原因の調査及び改善を実施する手順を求めたものです。
不幸にして、労働災害、事故等が発生した場合に、類似災害も含めて再発防止に取り組むための仕組みを整備しておくことが重要です。

手順には、次の事項が含まれていることが必要です。

  1. 原因調査の方法及び実施責任者
  2. 改善方法、改善結果を確認する方法及び実施責任者
  3. 改善の効果を確認する方法及び実施責任者

なお、当該対象とした労働災害、事故等についての再発防止対策だけにとどまらず、類似災害防止対策を含めて実施することが肝要です。

(2)「労働災害、事故等」の「等」には、ヒヤリ・ハット事例のうち必要なものがあること。

ヒヤリ・ハットについても、重大な災害に繋がる可能性があるものについては、労働災害、事故等と同様の対応を行うことが肝要です。

(3)「これらの原因の調査並びに問題点の把握」を実施するに当たっては、当該労働災害、事故等の直接の原因の解明にとどまることなく、当該事象を引き起こすに至った背景要因を総合的に勘案する必要があること。

原因調査の際に、直接原因しか調査の対象としないということでは、背景にある本質的な原因を見逃してしまうことにもなりかねません。
原因調査の際に、背景要因にまで広げて調査を実施することは、再発防止を図る上で極めて重要なことです。
また、安全衛生計画の内容を充実させるため、労働災害、事故等の原因調査及びその調査に基づく改善の結果を次回の安全衛生計画を作成に反映させることも必要です。