「システム監査」については、以下のようにOSHMS指針および解説等が示されています。
(システム監査)
第17条 事業者は、定期的なシステム監査の計画を作成し、第5条から前条までに規定する事項についてシステム監査を適切に実施する手順を定めるとともに、この手順に基づき、システム監査を適切に実施するものとする。
2 事業者は、前項のシステム監査の結果、必要があると認めるときは、労働安全衛生マネジメントシステムに従って行う措置の実施について改善を行うものとする。
(1)システム監査を実施する手順が定められていること。
手順には、「誰が」「何を」「どのように」行うのかが記述されていることが必要です。
手順には、次の事項が含まれていることが必要です。
- 定期的なシステム監査の計画の作成(システム監査の内容を含むこと。)
- 定期的な実施(安全衛生計画の期間中に少なくとも1回は実施すること。)
(2)手順に基づき、システム監査が実施されていること。
資料、記録としては、システム監査の計画やシステム監査の実施結果報告書等が必要です。
システム監査の実施には、次の事項が含まれていること。
- 安全衛生目標の達成状況の把握
- 問題点の把握
また、システム監査実施時に、好事例の収集を積極的に心掛けるとともに、その水平展開を図ることも望まれます。
(3)システム監査は、システムに従って行う措置が適切に実施されているかどうかについて、文書、記録等の調査、システム各級管理者との面談、作業場等の視察等により評価するものであること。☆
システム監査の実施の際に、被監査部門に対して、次の事項についてチェックすることが必要であり、また、その結果を記録しておかなければなりません。
- 文書、記録等を調査していること
- システム各級管理者に面談していること(全員でなくてもよい)
- 作業場等を視察していること
(4)システム監査の実施者は、必要な能力を有し、監査の対象となる部署に所属していない等、システム監査の実施に当たって公平かつ客観的な立場にある者であること。☆
その限りにおいて、企業内部の者、企業外部の者のいずれが実施しても差し支えないこと。
システム監査の計画等で、「誰が」「どの被監査部門」を担当するかが決められていることが必要です。
また、システム監査の実施者は、「自主管理という観点で自ら実施する内部監査の有効性等の確保のため、被監査部門と公平、公正な立場を保つことができる者」に監査を委ねる必要があるため、次の要件を満たすことが必要です。
システム監査の実施に必要な能力を有していることについては、次のいずれをも満たすこと。
- 事業場として、システム監査者の資格を有する者として特定していること。
- 社内外を問わず、何らかのシステム監査に関する教育を受けていること。
公平性かつ客観性の確保に関しては、次のいずれをも満たすこと。
- 監査者が自部門及びその傘下部署の監査を担当しないこと。
- 監査者が最近まで所属していた部署など、関係が深い部署の監査は担当しないこと。
(5)第2項の「必要があると認めるとき」とは、システム監査結果報告に、改善の必要がある旨の記載がある場合をいうものであること。☆
システム監査の結果を生かして、OSHMS の運用について改善を図る必要があります。
システム監査報告書に改善の必要がある旨の記載がある場合に、システム各級管理者やシステム事務局等が、OSHMS に従って行う措置の実施方法等について検討し、改善を実施していることが必要です。
システム監査の結果について、どのように検討し、改善等に結び付けたかが確認できる記録があることが必要です。
OSHMS の特長であるPDCA を有効に機能させるために欠かせない重要な事項です。