*冗長方式
システムや装置が高いレベルの信頼性で規定の機能を遂行できるようにするために、数個の要素または手段を余分につけて、その一部が故障しても、全体としては故障にならないようにする方式。
多重安全の思想を活用した方式で、多くの応用事例が存在します。
※「人の操作ミス」を「機械設備の監視」でカバーするというような、異質特性を持つ要素間の相互バックアップも多重安全の思想の活用といえます。
- 冗長性とは
規定の機能を遂行するための構成要素又は手段を余分に付加し、その一部が故障しても上位アイテムは故障とならない性質。 - 常用冗長とは
構成要素がすべて動作状態にある場合。
並列冗長方式
同じ機能を持った要素を並列に結合して、信頼性を高める方式。
並列に結合される要素の数が多いほど、システムの信頼性は向上する。
◆単純に考えて、
1つの要素の信頼性が60%の場合
2つを並列に結合すると、信頼性は84%
3つを並列に結合すると、信頼性は93.6%
4つを並列に結合すると、信頼性は97.4%に向上します。
通常は、2個の要素を並列に結合するようなパターンが多いと考えられます。
しかし、同一要素の構成となりますから、共通のストレス、外乱などの共通の故障モードには弱いことになります。
要素を多くすることは、必ずしも得策ではないと考えられます。
待機冗長方式
主動作を行う要素が故障したときのみ、切り替えて、代わりの動作を行うような要素を付加した冗長方式。
主動作を行う構成要素が規定の機能を遂行している間は、切り替えられるまで予備として待機していることになります。
切り替えの信頼性(切り替え時間も含む)が課題となります。
多数決冗長方式
3個の構成要素のうち2個の要素が正常ならば、「正常」と判断し、2個の要素が異常なら「異常」と判断するような冗長方式。
構成要素は多くできますが、要素の信頼度が0.5より大である場合のみ信頼度が改善されます。