SafetyⅡ
「SafetyⅡ」はレジリエンス・エンジニアリングの創始者の一人であるエリック・ホルナゲル氏が提唱した概念。
これは、「レジリエンスとは、うまくいっている通常のパフォーマンスを維持する力」という考えを発展させたものである。
そして、これまでの「事故が起きないこと」「リスクを許容水準以下に抑える」というような従来の考え方を「SafetyⅠ」と名づけている
[Safety-Ⅰ] と [Safety-Ⅱ] の対比
(from「Safety-Ⅰ& Safety-Ⅱ」エリック・ホルナゲル著 北村・小松原 監訳)
Safety-Ⅰ | Safety-Ⅱ | |
---|---|---|
安全の定義 | 失敗の数が可能な限り少ないこと | 成功の数が可能な限り多いこと |
安全管理の原理 | 受動的で、何か許容できないことが起こったら対処 | プロアクティブで(先取りして)、連続的な発展を期待する |
事故の説明 | 事故は失敗と機能不全により発生する | 事物は結果に関わらず基本的に同じように発生する |
事故調査の目的 | 原因と寄与している要素を明らかにする | 時々物事がうまくいかないことを説明する基礎として、通常どのようにうまくいっているかを理解する |
ヒューマンファクターへの態度 | 人間は基本的にやっかいで危険要素である | 人間はシステムの柔軟性とレジリエンスの必要要素である |
パフォーマンス変動の役割 | 有害であり、できるだけ防ぐべきである | 必然的で、有用である。 監視され、管理されるべきである |
★ネガティブ視点からポジティブ視点へ
「安全」は「成功の数が可能な限り多いこと」
ネガティブ思考からポジティブ思考への転換とも言えるもの。