<災害事例(業界関係書籍より)>
車出入口の段差のズレをバールを使用して手直ししているとき、腰椎を捻挫した。
(腰椎捻挫、休業10日 男性64歳)
中腰の姿勢で行っていて、腰部へ力がかかったものと思われます。
膝を曲げるなどして、腰部への負担を軽くする姿勢とすることが必要です。
また、早朝であったとのことで、準備体操で体をほぐしてから作業にかかることも大切です。
腰痛予防の原則があります。
腰痛予防の第一原則:「腰椎の生理的前湾を保持する」
次の腰椎を保護する基本姿勢が重要
①背筋を真っ直ぐにする
②お腹に力を入れて、腹筋を働かせる。
③お尻に力を入れて、大殿筋を働かせる。
④膝を軽く曲げる。
この4ポイントを日常のあらゆる動作に応用する
なお、腰椎に負担のかかる姿勢として次のようなものがあり、注意を要するとのこと。
・腹ばいになって、本を読む。
・横になり、肩肘をついてテレビを見る。
・あぐらをかく(組む)。
また、直立姿勢においても、片方の股・膝関節を曲げると、腰椎が前に反りすぎるのを防ぎ、椎間板内圧を減少する。
つまり、立ち作業においては、片方の足を乗せる適当な高さの踏み台の使用が腰部への負担を軽減することになる。
腰痛予防の第二原則:「腰部周りの筋肉を鍛える」
腰部周りの筋肉(骨盤を固定させ、背骨を支える筋肉)は大きく次の3つになる
①大殿筋た大腿二頭筋などのお尻の筋肉
②腹筋
③背筋
これらのうちのどれかの筋肉が弱まり、バランスが悪くなると、背骨にストレスがかかって、腰痛の原因となる。
椅子に腰掛けている時間や立っている時間が長いと、背筋が疲れて、腰痛を引き起こすことになる。
従って、長時間同じ姿勢をとるのではなく、適当に姿勢を変えたり、歩く、体操などをして血液の滞りを改善する必要がある。
また、これらの筋肉を鍛えておくことが大切である。
腰痛予防管理(腰痛予防体操・ストレッチ等)については、厚生労働省のホームページ
「http://腰痛の原因と対策.com/」に詳しく示されています。
<参考>
「職場における腰痛予防対策指針」
平成25年6月18日 基発0618号1号