NHKラジオ「健康ライフ」、群⾺⼤学名誉教授⾼橋久仁⼦さんの話「フードファディズム」4⽇目。
「⾷物の“⾃然”とか、“天然”とか、“植物性”とかにこだわるがこと」についての話です。
「⾃然のもの」「天然のもの」「植物」とパッケージに書いてあると、体に優しいように思ってしまうが−−−
実は「⾃然」「天然」「植物」とか⾔われるものには何の意味もない。
いろいろの「⾃然」「天然」のものは有害な成分を含んでいたりすることがある。
⼈類は今まで、いろいろなものを⾷べて、有害なものなどを取り除くとか避けるとかしてきたと思われる。
たとえば、きのこ、ホタテ類等々に毒性がある。
「⾃然」「天然」の⾷物は、いろいろと制御しているから、⾷べることができるのであって、本当の天然⾃然はとても怖いものである!
植物にも有毒なものを含んでいたり、危険やものも少なくない。
これらの裏側には、「⼈⼯」「動物性」は体に悪いというイメージがあるが、本来、有毒なものは流通させてはいけない。
⼈⼯的な操作の最たるものは加熱であるが、加熱という⾏為は「⼈⼯」として有効なものである。
加熱によって、⾷べるものの安全性は格段に⾼まる。
「⽣⾷信仰」もフードファディズムのひとつの形のようなもの。
例えば、⾖は加熱することによって有害な物質は消えていく。
野菜だけを⾷べていれば健康になることはない。
多様なものを⾷べて、野菜も⾷べることが必要。
動物性のものを忌避していれば成⻑できない。⼦供には必須である。
野菜や果物を多く⾷べていればビタミン不⾜にならないと思っている⼈も多いが、実はビタミンB12、或いはビタミンDは植物性⾷品には含まれない。
動物性⾷品を⼀切摂取しないような⾷⽣活ではビタミンの不⾜が起きてしまう。
何故か変なイメージが作りあげられてしまっている。
⼈は雑⾷性の⽣物である。
現実には、スーパーで売っているものを煮炊きして⾷べていれば基本的には間違いないと考えていい。
⼈は、単純・明快な⾔い回しに引かれて、ストンと納得してしまうような傾向がありますが、そこには落とし⽳もあるということです。
それに、パニック時の流⾔⾶語と同じように、“危ない情報” “不安情報” は広がりやすいですね、興味を持って受け⼊れやすいです。
野菜をあまり⾷べない⼈への説教としての「野菜を⾷べなさい」が、いつの間にか「野菜だけを⾷べればよい」というような単純明快で極端な⾔い回しになるのでしょうか。
⼈⼯⽢味料を多量に摂取する弊害が単純明快化されて、「⼈⼯⾷品は体に悪い」ということになるのでしょうか。