ライフラインの停止

地震等の災害が発生すると、電気・水道・ガス等のライフラインの供給停止が高い確率で発生します。

阪神大震災を教訓として書かれた『イツモノート』には
「コンクリートで固められた都会でライフラインが止まるということは、原始よりも不便で不安な状況におかれることを意味します。」
「それまで当然と思っていた価値観や常識とは別の心構えとしてその場に応じた工夫が求められることになります。」

とあります。

一般的には、下記のようなライフライン停止への対応事項が挙げられています。

【水】水道が出なくなる(水の確保)
【電気】停電が発生する

災害避難時は、再送電時の屋内漏電等の事故を防ぐため、屋内受電盤のブレーカーを「切」にしておく。
ブレーカーの「入」は、コンセント負荷を確認して(すべて抜いて)の後にする。
--屋内配線の漏電、使用電気機器の使用状況に注意すること。

地震による火災の過半数は電気が原因という事実

東日本大震災における本震による火災全111件のうち、原因が特定されたものが108件。
そのうち過半数が電気関係の出火。
(地震が引き起こす電気火災とは、地震の揺れに伴う電気機器からの出火や、停電が復旧したときに発生する火災のこと。)

電気火災対策には、感震ブレーカーが効果的

「感震ブレーカー」は、地震発生時に設定値以上の揺れを感知したときに、ブレーカーやコンセントなどの電気を自動的に止める器具。
感震ブレーカーの設置は、不在時やブレーカーを切って避難する余裕がない場合に電気火災を防止する有効な手段となる。

「分電盤タイプ(内蔵型)」「分電盤タイプ(後付型)」「コンセントタイプ」「簡易タイプ」がある。

切れた電線や、電線が樹木/看板/アンテナ等に接触しているときは、電力会社の対応を待ち、(漏電を考えて)周囲のものに触らないようにする。

【ガス】ガスが使えない

都市ガスは空気よりも軽く、プロパンガスは重い。
ガス漏れ時、ガスの排除する際、ガスが天井を這うか、床面を這うか認識しておく必要がある。

漏れたガスは団扇等であおいで外へ出すことになるが、着火源となるものには十分に注意し、慎重に行う必要がある。

電気関係のスイッチのOn・Offや、コンセントの抜き差しでの火花が着火源となり得るので、触らないように注意!

プロパンガスのマイコンメーター
マイコンメーターには、ガスの流れや圧力等に異常が発生した場合や震度5以上の地震が発生した時、内蔵されたコンピューターが危険と判断し、ガスを止めたり警告を表示する機能がついている。
メーターの表示ランプ等で状況を確認できるようになっているが、復帰には上記注意が必要。

グラピタホース
プロパンガスの場合、地震等で容器転倒時、ガスホースが引っ張られると、ホース内の安全機能が作動し、自動的にガスが止まる機能(設置業者に確認必要)

なお、ライフラインの復旧目安として、下記のような日数事例が挙げられています。

ライフライン復旧