NHKラジオ「健康ライフ」、群⾺⼤学名誉教授⾼橋久仁⼦さんの話「フードファディズム」3⽇目。
「⾏間を読んではいけない」についての話です。
「⾏間を読んではいけない」の「⾏間」とは?
「実際には書いてはいないが、そこに筆者の思いがこめられている」こと
つまり「何を書こうとしたのか」の意味合いのこと。
これが⾷品の宣伝効果となる! ということ。
架空の商品“スリミング” について下記の宣伝⽂句を例として⽰されています
「燃焼系飲料“スリミング”
カルシウム、植物繊維は補給、
カロリー、脂肪はさようなら、
スリミングは現代⼈の⾷⽣活にフィットするカプサイシン⼊りの飲料です。
カプサイシンは体脂肪の燃焼を促進すると⾔われる唐⾟⼦の⾟み成分
ちょっぴり⾟いカロリーオフのスリミングをダイエットのお供に
燃焼系飲料“スリミング”!」
よくあるような宣伝ですが
この架空の宣伝⽂句について下記のようなことが⾔える!
⼀⾔も「やせる」と⾔っていない。
「補給」というところで⽌まっている。後に何という熟語を補うか?
→補給されると思ってしまう! やせると思ってしまう!
このことが、まさに⾏間を読んでいるということ!
現代⼈の⾷⽣活にフィットすると⾔っても、どうフィットするのかよくわからない!
カプサイシンの効果は動物実験でも確かめられているが、それには相当多量のカプサイシンを⻑期間にわたって摂取しなければならない。
つまり、ちょっぴり⾟い程度のカプサイシンが添加されていても、それで減量効果を期待しても無理ということ。
「カロリーオフ」とは「100ミリリットル当たり20キロカロリー以下」であれば「カロリーオフ」或いは「低カロリー」と書いていい。
つまり、栄養表⽰基準制度には違反していないことになる。
因みに「ノンカロリー」は5キロカロリー以下であり、全くのゼロではない。
つまり、1リットル飲めば、49キロカロリー摂取ということになる。
「1⽇1本飲むコラーゲンすっきりプリプリ」という宣伝⽂句があるが、注意すべきは「すっきりプルプルする」とは書いていないこと。
でも、「する」まで読んでしまう!
「これを飲めばヒザの痛みが取れる」というようなイメージをさせる広告
よく読めば、「ヒザの痛みが取れます」とは⼀⾔も書いていない。
私たちは、おもんばかって過剰に解釈してしまう。
「痛みが取れる」というように書くことは違反となるが、書いていない。
具体的なことが書いていなければダメだと⾔えないのが今の規則である。
では、私たちはそうすればよいのか−−−
⾃分たちの過剰解釈してしまうという癖を⾒直すということ!
宣伝広告⽂⾔は字⾯(じづら)どおりに読むということ!
つまり、上の例では、「カルシウム、⾷物繊維は補給」と書いてあれば、それは「⾃分で補給しなさい」という警告として読むようにする。
今回は、「迷わす(誘引する)宣伝」の核⼼ともいえる部分であり、詳しく引⽤させていただきました。
⼈の⼼理作⽤の癖(弱点)につけ⼊るのが優秀なコピー?となる−−−
受け⼿の側の冷静な判断が求められているということ!
しかしこれは相当な精神的訓練が必要なようにも思えます。
だから騙される⼈が多いし、商売が成り⽴っているという⾯もあるのでしょうが、そんな商売は虚業に近いとも⾔えるのか?
「騙してはいけないが騙すぎりぎりのところで展開されている」という点は⼗分に認識しておく必要があると思います。