「災害時のストレス対策」について、雑誌「安全と健康」2021年03月号筑波大学名誉教授松井豊先生の記事を参考とさせていただきます。
災害後に組織が取るべき惨事ストレス対策
災害直後(急性期)
①トップからの支援表明
発災直後(急性期)には、組織のトップから職員に対する支援の姿勢を表明してもらいたい。
②職員や組織の家庭の安全確保、資源確保
職員や職員の家族の安全確保、資源の確保も必要となる。
③怒りの蔓延に備える
職場内の過覚醒症状に注意する
④休憩・休養の確保
⑤記録を取る
被災時には多くの課題が発生し、意思決定が迫られる。
被災していない人への情報提示という意味でも、被災時の記録は重要である。
亜急性期
⑥健康診断
災害の混乱が収まったころには、職員の健康診断を実施したい。
このとき、身体の健康だけでなく、メンタル面も考慮した診断が必要である。
ストレスが高い職員ほど、健康診断を受診しない傾向があるため、全員受診を原則とする。
⑦職場内の支え合いの促進
職員のストレスを緩和し、怒りの蔓延を防ぐために、職場内の支え合いを促進することも大切である。
お茶会や振り返り会、懇親会など、職場に合った支え合い会を開催していく。
⑧休暇の付与
業務に少しゆとりがでてきたら、交替勤務など積極的に取り入れ、職人に休暇を付与したい。
⑨展望・見通しを伝える
可能であれば、復興計画などを発表して、職員に今後の展望や見通しを伝えることもストレス緩和に役立つ。
「あと1年がんばろう」などの見通しが、活動に取り組む意欲を高める。