三つの目

「三つの目」という観点がある本に書かれていました。
「虫の目」と「鳥の目」と「魚の目」です。
「虫の目」と「鳥の目」については以前から知っていたのですが、「魚の目」という言葉は初めてのように思います。

  • 虫の目は近眼?
    つまり「眼前の細かな現実」を見る目。
  • 鳥の目は天空に居て見下ろす目。
    「鳥瞰」「俯瞰」といわれている目。
  • 魚の目は水の流れを感じる目。
    魚が泳いで時間軸を進んでいくような目。
    時代をさかのぼっていくような映像がありますが、あのような目だそうです。

メンテナンスにおいても、“虫の目”で現象を観察し、“鳥の目”で周囲との関係を見ることは大切なことです。
そして、魚の目で時間変化(経時変化)を考えるということになります。
特に、メンテナンスでは経時劣化がポイントとなります。


社会は「時代の変わり目」に入っていると言われて久しいのですが、この“魚の目”が問われているように思います。
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企業ドメインの捉え方についての「アメリカの鉄道会社」の有名な話しがあります。
米国社会の黎明期、西部へと産業が広がっていく過程で、鉄道会社は花形でした。
鉄道会社の人たちはプライドを持って鉄道産業に従事していました。
「我々の使命は、鉄道を立派に維持すること」という崇高な企業理念を持って業務に従事していました。
しかし時代とともに運送手段は、車そして飛行機へと移っていっていきました。
しかし鉄道マンはそのプライドを頑なに持ち続けました。
そして、会社は衰退していきました。
このとき、経営者が自社の事業を「鉄道事業」ではなく「運送事業」と捉えていたら別の選択肢があったのではないかという話しです。


メンテナンス業においても、企業ドメインをどう捉えるか?
「設備の維持業」か「施設の快適性の維持業」か「お客様の困りごと対応業」か「人材活用サービス業」か「施設の安全衛生管理業」か---
いろいろ考えられます。

時代をどう捉えるかが問われている時代だと思います。
年頭に当たって“魚の目”を持って見直してみることも必要ではないかと考えました。