今回の新型コロナウイルス災害では、売り上げの急減が大きな課題となっている業種がありますが、それ以外の業種における社員の勤務においても、出社の控え、在宅勤務等が言われ、勤務形態に大きな変化が起きています。
この「パンデミックにおける“勤務”」については、今までBCPにおいても検討されていました。
災害時には社員にも被災する者が出て、少人数の社員で業務に(特に必ずやらなければならない重要業務を外さずに)対応しなければならないという事態も想定されていました。
また、代替要員の確保についても挙げられていました。
そして「内部体制の強化」として、人員が大きく欠員した状況下で業務をこなさなければならない事態への対応策として、以下のような課題が挙げられていました。
- 多能工化へのアプローチ
--代替可能業務を把握するための従業員の能力の把握
--資格要件の整備 等 - 重要業務(業務遂行上外せない業務)に必要なスキルの明確化
- 従業員の住居の把握(出勤可能性)
- 業務マニュアルの充実・整備
--緊急時の対応マニュアルとして、経験の浅い従業員或いは外部要員でも対応可能なように準備しておく。 - 代替要員の確保
--OB等外部要員の活用 他
また、『業務継続を考慮した勤務体制の再構築』も挙げられていました。
以上の検討は、仕事がない場合(人員余剰の場合)におけるワークシェアリングの構築においても活用できます。
今回の新型コロナウイルス災害においても、時間の余裕ができたとき、これらの課題への取組みにその余裕時間を活用することが考えられます。
休日家庭において「時間が余ったから今までできなかった整理をした(掃除をした)」という声が聞かれましたが、
「仕事がないときに従業員教育等内部体制の充実に力を入れる」ということです。
多くの経営助言者もこのようなことを提言されています。
仕事がなくなったとき、時間が十分ある場合、苦しんでばかりはいられない!
下記のような今までなかなかできなかった部分の充実に当てることができます。
- 社員とのコミュニケーションの強化
--本音レベルの会話 - 業務フローの改革(効率化)
--社員を巻き込んだ単純作業の見出し、自動化等への検討
(リスクアセスメントをされているなら、現場業務を細かく検討することにより得られる改善点が出てきます。) - 「人材育成(多能工化)」(人材教育)
--今までのBCPの検討項目にもありました - 人手が余るときの対応対応体制の検討
--ワークシェアリング等柔軟な勤務態勢の構築
--解雇なしを目指す:安易な解雇で対応しない
(解雇すると今度は人が来なくなる:基本的には人手不足!)
以上は、経営的に裕度のある場合の話になるかと思いますが、BCM(事業継続マネジメント)の検討が必要なことに変わりはないと思います。