“人とのつながり” が “寿命” に関係!

今月もNHK健康ライフからのヒントとなる課題です。
「人とのつながりと寿命」と題して
予防医学研究者・医学博士  石川 善樹 先生が話されています。

以前からも言われていた「生き甲斐」と人との関わり、つまり「つながる力」の話です。

特に4日目の「幸福度と寿命」は多くの示唆を与えてくれる内容でした。


幸福度の高い人の方が寿命が延びる!
「幸福度を高く感じている人程寿命が伸びる」--ということが最近になって分かってきました。
その理由は、
「幸福であると困難を乗り越えやすくなる」のではないか?
と考えられております。

これは配偶者との別れなど辛い時でも“ポジティブシンキング”な人ほど他の人の助けを得られやすく、広い視野を持っていることなどが困難を乗り越えていきやすいのでは--と考えられています。

「幸福度を上げるためにはどのような要因がどれくらい影響しているのか?」
を研究してゆくと「幸福の50%は遺伝で決まる」ということがわかってきました。

世の中の人を「ごきげんな人」と「不機嫌な人」に分類すると、ごきげんな人の家族はごきげんな人が多く、不機嫌な人の家族は不機嫌者が多いという傾向があります。
これは双子を対象にした研究で明らかになった事で、双子が産まれた時に、一人しか育てられない家庭では、もう一人は養子として別の家庭で育てられるということがあります。
このように遺伝的には同じでも違う環境で育つ双子を多く調べて、幸福度と遺伝の関係を調べてみると、幸福度と遺伝の関係性が明らかになりました。

幸福度が遺伝で50%決まっていると聞くと、ほとんどの人は遺伝的な影響の大きさを感じてしまいます。
しかしながら、残りの半分は育つ環境や行動などで変えることができますので悲観的に考える必要はありません。

例えば、孤独な人の部屋は散らかって汚い事が多く、そのような部屋には人も来ません。
そこで、「部屋をキレイにする」ことがきっかけになって、友人が遊びに来て、人生が幸せな方向に向かうということにもなります。

精神的な病気に対して、昔は環境よりも「自分の考え方を変えること」に主眼が置かれていたのですが、自分の考え方を変えるのはとても難しいので、最近では環境や行動を変える様にすると結果的に考え方が変わってゆくというアプローチに変わってきています。

よく「ウソでもいいから笑え」などと言われますが、これはとても効果があることで、他にも「下を向かずに上を向く」「ガッツポーズをする」など簡単な行動を起こすだけで気分が盛り上がってくることが知られています。

人とのつながりと幸福度についても様々な研究が行われていますが、どの研究にも共通しているのは、「幸せな人は友達の数が多い」ということで、友達とのより親密な関係性などよりも友達の数が幸福度に影響しています。

幸福は人と人との間で伝染しやすいという性質があるようで、この事はアメリカで12,000人の人を対象に32年間に渡って行われた研究で明らかになっています。

自分の友人が一人幸せになると、自分の幸福度は9%アップするという事が確認されており、友人が不幸になると、自分の幸福度は7%下がるという事もわかっています。
このことから幸せの方が不幸よりも感染力が強く、より多くの友人を持っている方が幸せになれる可能性が大きくなるというメカニズムがあります。

幸福度を上げるために、何をすれば良いのか?という事を国家的に取り組んでいるのがイギリスで、「幸せになる5つの行動」を提唱しています。
<幸せになる5つの行動>

  • 運動をする
    --運動をすると脳内物質のβエンドルフィンが分泌され幸せを感じます
  • 感謝をする
    --長年お世話になっている人に、直に感謝を述べる「感謝の訪問」をする
  • 人とつながる
  • 新しいことを学ぶ
  • 人に感謝を与える

このような行動をすると幸せにつながり、心理学の研究でも十分効果がある事が確認されています。
どれか一つでも、今日から始めて見る事が、あなたの幸福度を上げてゆきます!


幸福度の高い人の方が寿命が延びる!
幸福でかつ寿命も延びる!

これは大変です

●「ごきげんな人」と「不機嫌な人」に分けると、ごきげんな人の家族はごきげんな人が多く、不機嫌な人の家族は不機嫌者が多いという傾向があるとのこと!

精神的な思考形態が遺伝する?!
そして、「お人好し」的な人達の方が寧ろ幸福感を感じられる傾向が強いということです。
「お人好し」とは、ある意味バカにしているニュアンスですが、実はすばらしい能力なのかも!?

能天気のすばらしさ?!
しかし、すばらしく能天気だった人がつらい出来事でかえって普通以上に落ち込むというようなことも聞いたことがありますが--
「能天気」は「お人好し」と少し違うようです---

●「精神的な病気に対して、昔は環境よりも「自分の考え方を変えること」に主眼が置かれていたが、自分の考え方を変えるのはとても難しいこと!
そこで、最近では環境や行動を変えるようにすると結果的に考え方が変わってゆくというアプローチに変わってきているとのこと。

「精神を強くして(考え方を変えて)、乗り越えよ! 頑張れ!」とは精神論としてよく言われることです。
この方法は、上手くいくこともあれば、ダメなときもある---
そのようなときの評価は「あの人はダメだった」「この人はよく頑張った」というようになります。
それは個々人固有の面が多分に有り、その裏には「その人の置かれた環境(温かく受け容れてくれるような環境等々)」或いは「行動変容の指導の仕方(上手に導いてくれる指導者等々)」も影響しているということです。
すぐ結果という一面だけを見て断定してしまう(決めつけてしまう)傾向は自分にもあり、反省しなければいけないと感じます。

●人とのつながりと幸福度についても様々な研究が行われていますが、どの研究にも共通しているのは、「幸せな人は友達の数が多い」ということで、友達とのより親密な関係性などよりも友達の数が幸福度に影響しています。

もちろん親密な関係性も大事なことなのですが、「広く“人とつながる力”」という視点がポイントということのようです。
--内向的な人は「幸福度が低い傾向にある」ということでしょうか?
  内向的な人は“独自の幸福世界”を構築しているかもしれませんが---

●イギリスは国家的行事として、幸せになる具体的な5つの行動を提唱しているということ

おどろきました、「感謝する」ことが挙げられています。
もちろん「感謝」の念を持つことについては賛成以外の何の異議もありませんが、日本ではちょっと意見(個人の精神面に国が関与するのか等々の意見)が出そうな気もしますが---
厚生労働省にこのような指針があったかは不明(無知故の不明)です。
マイナス面の是正としては「メンタルチェック制度」が始まっていますが---

201803鳴門の双耳峰