「緊急事態への対応」については、以下のようにOSHMS指針および解説等が示されています。
(1)「緊急事態が発生した場合に労働災害を防止するための措置」には、被害を最小限に食い止め、かつ、拡大を防止するための措置、各部署の役割及び指揮命令系統の設定、避難訓練の実施等が含まれること。
どのような緊急事態が発生する可能性があるかを事前に検討しておくことを求めたものです。
製品、原材料、製造プロセス等に起因する緊急事態だけでなく、事業場の立地環境、地域の天候等も考慮して、自然災害を含めて対応することが望ましいです。
緊急事態になった場合でも労働災害が発生しないように、あるいは、発生しても被害が最小限で済むように、あらかじめ必要な措置を定めておくことが必要です。
そして、その措置には、あらかじめ配備(設置)しておくもの、あらかじめ決めておくこと、あらかじめ訓練しておくこと、実際の緊急事態になった場合に実行することなどがあり、これらを分けて整理しておくことが望まれます。
これらには、下記事項が含まれている必要があります。
- 被害を最小限に食い止め、かつ、拡大を防止するための措置
(ア) 消火及び避難の方法
(イ) 被災した労働者の救護の方法
(ウ) 消火設備、避難設備及び救助機材の配備
(エ) 緊急連絡先の設定
(オ) 二次災害の防止対策(酸欠、中毒、爆発、感電や倒壊、崩壊等による救済活動時の災害防止) - 緊急事態発生時の各部署の役割及び指揮命令系統の設定
- 避難訓練の定期的な実施
(2)「緊急事態が発生した場合の措置」について、関係労働者に周知されていること。
滅多に起きない緊急事態に対して、迅速かつ的確に対応することは簡単なことではありません。
日頃から緊急事態への対応訓練と必要な情報の周知が大切です。
(緊急事態への対応)
第14条 事業者は、あらかじめ、労働災害発生の急迫した危険がある状態(以下「緊急事態」という。)が生ずる可能性を評価し、緊急事態が発生した場合に労働災害を防止するための措置を定めるとともに、これに基づき適切に対応するものとする。