英国の心理学者ジェームズ・リーズンは、その文献「保守事故」において、ヒューマンエラーを下記のように分類しています。
意図しない失敗 | ①スリップ | 動作の実行段階でのミス :やろうとしたことができなかった | 例:目的の場所に行くために普通列車に乗るつもりが、急行列車に乗ってしまった。 |
②ラプス | 動作を決めた(決められた)とおりに開始しない失敗 :やり忘れ | 例:取引先に電話する時刻を決めていたのに、忘れてしまった。 | |
③ミステイク | 動作の計画段階でのミス :やろうとしたことが間違いだった | 例:待ち合わせ場所を間違えて記憶していた | |
④動作ミス | 行動そのものの失敗 | 例:ブレーキとアクセルを踏み間違えた | |
意図的な失敗 | ⑤違反 | 規則を守らない行動 | 例:制限速度オーバーで車を運転した |
⑥リスクテイキング行動 | 危険だと知っていながらしてしまう行動 | 例:横断歩道のない所で道路を横断した |
☆広義のヒューマンエラー:①~⑥
☆狭義のヒューマンエラー:①~③
ドナルド・A・ノーマンはヒューマンエラーの一連の行動を「計画段階」と「実行段階」に分類し、計画段階に発生するエラーを「ミステイク」、実行段階に発生するエラーを「スリップ」(特に記憶に関わるものを「ラプス」と定義しています。
- ミステイク:計画段階での「誤った判断や、勘違い、思い込み」によるエラー
- スリップ:実行段階での「注意の減衰・混乱」に関わるエラー
- ラプス:実行段階での「記憶」に関わるエラー
- (違反:故意に行われるもの)