電気通信設備工事担任者とは、電気通信事業法で「⼯事担任者資格者証の交付を受けている者」とされています。
この⼯事担任者は「電気通信の⼯事担任者」或いは「電気通信設備⼯事担任者」と呼ばれることが多いようです。(通常「工事担任者」と呼ばれています)
※以前は、「電話⼯事担任者」と呼ばれていました
⼯事担任者はその種類も多く、技術の進歩による法改正(資格の構成変更)もあり、複雑です。
現在(記事記載時点:2019)の資格の種類とその適⽤範囲をみ記します
AI第⼀種
アナログ伝送路設備(アナログ信号を⼊出⼒とする電気通信回線設備をいう。以下同じ。)に端末設備⼜は⾃営電気通信設備(以下「端末設備等」という。)を接続するための⼯事及び総合デジタル通信⽤設備(ISDN)に端末設備等を接続するための⼯事。
AI第⼆種
アナログ伝送路設備に端末設備等を接続するための⼯事(端末設備等に収容される電気通信回線の数が50以下であつて内線の数が200以下のものに限る。)及び総合デジタル通信⽤設備(ISDN)に端末設備等を接続するための⼯事(総合デジタル通信回線の数が64kbps換算で50以下のものに限る。)
AI第三種
アナログ伝送路設備に端末設備を接続するための⼯事(端末設備に収容される電気通信回線の数が1のものに限る。)及び総合デジタル通信⽤設備(ISDN)に端末設備を接続するための⼯事(総合デジタル通信回線の数が基本インタフェースで1のものに限る。)
※主に家庭内又はこれと同等規模の接続工事。
なお、回線数が1であれば、端末については技術基準の範囲内であれば複数の台数を設置可能。
DD第⼀種
デジタル伝送路設備(デジタル信号を⼊出⼒とする電気通信回線設備をいう。以下同じ。)に端末設備等を接続するための⼯事。ただし、総合デジタル通信⽤設備(ISDN)に端末設備等を接続するための⼯事を除く。
※主に、光ファイバーを用いた100メガビット/秒を超える高速・大容量の電気通信回線への接続工事が、DD第一種特有の工事例として想定される。
DD第⼆種
デジタル伝送路設備に端末設備等を接続するための⼯事(接続点におけるデジタル信号の⼊出⼒速度が100メガビット/秒(主としてインターネットに接続するための回線にあつては1ギガビット/秒)以下のものに限る。)。ただし、総合デジタル通信⽤設備(ISDN)に端末設備等を接続するための⼯事を除く。
※小・中規模の事業所内で行われる接続工事が主になることが想定され、DD三種とは異なり、インターネット接続以外の用途を持つ回線(IP電話ネットワーク、広域イーサネット、DDX等)への接続工事が可能となる。
DD第三種
デジタル伝送路設備に端末設備等を接続するための⼯事(接続点におけるデジタル信号の⼊出⼒速度が1ギガビット/秒以下のものであつて、主としてインターネットに接続するための回線に係るもの限る。)。ただし、総合デジタル通信⽤設備(ISDN)に端末設備等を接続するための⼯事を除く。
※主としてインターネットにアクセスするための工事に限定される。
AI・DD総合種
アナログ伝送路設備⼜はデジタル伝送路設備に端末設備等を接続するための⼯事
※AI一種とDD一種の両方の工事範囲を含み、工事担任者の全ての工事の範囲を包含する。
電気通信設備⼯事担任者の担当範囲は、電気通信事業者との責任分界点(保安器等の⼆次側)以降の需⽤者側の⼯事についてです。
電気通信事業法は、電気事業法とよく似た構成になっていますが、電気事業法の⾃家⽤電気⼯作物の範囲に当たる部分の電気通信設備⼯事を担当するということになります。
なお、旧資格(アナログ第一種~第三種。デジタル第一種~第三種等)については、旧来の規定にり、それぞれの⼯事可能範囲は既得権として残っているようですが、上記資格(新資格)の取得については、受験しなおす必要がありそうです。(それぞれの旧資格により試験科目の免除があります)
通信設備の利⽤技術と設置環境は⼤きく変わっています。
新しく「IPネットワーク」「セキュリティ」「通信インターネット」等の必要知識が加わっています。
2019年時点以降法規等における制度の改正が考えられます(チェックが必要です)