⾼圧配線⼯事中の災害

⾼圧活線作業開始時に作業⾞バケット内で⾜を滑らせ起きた感電事故

【事故の概要】

事故場所:⾼圧配線路耐張碍⼦縁廻し部分 負傷1名
⾼圧配電線引き替え⼯事を⾏い、送電後作業漏れに気づき、単独で⾏動したことにより起きた感電事故。

【事故の原因】

  • ⼿直し作業を単独で⾏った!
  • ⾼圧ゴム⼿袋を着⽤していなかった!
  • ⾼圧活線作業時、ネックレスを⾝につけていた!
  • バケットの中が滑りやすくなっていた!
  • 防護を外したときテーピングをしていなかった!

【上記原因から導かれる対策】

  • ⼿直し作業は作業⻑に連絡して実施する!
  • ⾼圧活線作業、近接作業時には保護具を完全に着⽤する!
  • 作業時に装⾝具を着⽤しない!
  • バケット内を整理整頓する(バケット内滑り⽌めマットを検討する)
  • テーピングはその都度的確に実施する!
架空引き込み線工事中の感電負傷事故

【事故の概要】

複数人で架空引き込み線の配電線工事をしていたが、作業終了時、全体の工事完了の確認を怠って通電し、柱上作業者が感電し落下した。

【事故の原因】

  • 停電作業という安易感があった。
  • 作業指揮者である電気主任技術者が作業現場に不在であった。
  • 作業終了の確認を怠った!
  • 作業の一部に変更があったが、全員に知らされていなかった!
  • 作業手順はあったが、無視されていた!

【上記原因から導かれる対策】

  • 作業前の打合せを十分に行い、指揮命令系統を明らかとしておく。
  • 作業中の状態変化は速やかに作業責任者に連絡し、その指示を受ける管理体制を確立する。(変更管理の重要性)
  • 作業終了後は、最終点検し、絶縁抵抗測定等の検査確認を行ってから通電する等の基本ルールを遵守すること。(職場の安全文化の問題)
高圧配電線工事と併行して進めていた絶縁耐力試験中の感電負傷事故

【事故の概要】

絶縁耐力試験中、電気工事会社の作業員が、残った径間の延線作業の準備をしようと構内柱に上って、リード線に手をかけ感電した。
構内柱には危険表示がされていなかった。
試験員達は、作業員の昇柱に気づかず、電流計の異常な振れで絶縁耐力試験装置の電源スイッチを切った。
また、試験に使用していた発電機のエンジン音が急に変化したので発電機を停止させた。

【事故の原因】

  • 工事作業者は、試験をしているのを見たと思われるが、何の試験をしているのかまで考えなかった。
  • 事故の起こった構内柱には、危険表示等は何もなかった。
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【上記原因等から導かれる対策】

  • 高圧をかけるに当たり、危険区域への第三者の侵入を防ぐため「危険表示」をすること。
  • 危険表示と併せて、監視ができる体制をとっておくこと。
  • 複数作業が同時並行的に行われる場合は、他の関連作業との間での打合せ・調整を充分行っておくこと。
  • 電気設備においては、充電の有無の確認に、検電器の使用を励行すること。
    (特に高所作業においては、落下の危険性も加味して考慮する必要がある)