Vベルトの滑り具合を点検中、手を巻き込まれる災害

<災害事例(業界関係書籍より)>

「機械設備点検中、揚水ポンプのVベルトの滑り音に気づき、モーター停止を確認後、ベルトを点検していたところ、急にモーターが回り出し、手を巻き込まれた。」という事例です。
(左手甲部および第4・5指の複雑骨折)

この揚水ポンプは交互運転されている2台のうちの1台であり、15分程度は運転は停止すると思いこんで、近くにある電源スイッチをOFFにせずに、Vベルトに触れていたということです。

再発防止策として、次のような事項が挙げられています。

<ベルト点検時の注意>

  • 「思い込み作業」は行わない
  • 点検時は「電源スイッチ」を切ること。
  • 遠隔操作機器については、操作室等への連絡を忘れないこと。
  • 「作業手順」の周知と「手順の遵守」の徹底
  • 点検・修理等において、ベルトカバーを外したときは、必ず元に戻すこと。

「間違った“思い込み”があった」として説明されることがありますが、当事者は、そのときは「正常」と判断しています。
(日常の点検作業におけるリスクの洗い出しによる)教育・訓練・注意喚起・KYが必要ということです。

・水道の使用量は時間帯等により大きく変化することもあり、「電源スイッチのOFF」は不可欠です。
・作業手順を作成していたとしても、作業者がそのとおり実施するかどうかは不明です(管理の要点)。

尚、空調設備等Vベルトを使用している設備は多く、同様の注意が必要です。