内装工事中の感電死亡事故
【事故の概要】
天井工事中、脚立の足が床に這わしてあった電線を踏みつけ、電線の絶縁がむき出しになり、脚立の足が金属むき出しの状態であったため、作業者を通じて感電の電路が形成された。
被災者は雨に濡れた服と汗の状況で仕事をしていた。
【事故の原因】
電気主任技術者の事前の点検時に、「工事用電源に漏電遮断器の設置」「工事使用の機器に開閉器の設置」等を指示していたが、徹底されていなかった。
(電気主任技術者は月1回の巡回点検)
【上記原因から導かれる対策】
- 電気主任技術者は、工事期間中の巡視・点検回数を増やす。
- 指示・注意した事項は、その履行状況を確認する。
- 作業場所の整理・整頓。
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改装工事のように多数の業者が出入りするような場合、電気知識に乏しい作業者の存在及び不良電気機器の使用も想定されます。
電気主任技術者が常勤でない場合は、自家用施設側担当者に巡視・点検時の懸念事項を伝え、その対応に万全を期してもらうように依頼しておくことが必要と思われます。
天井裏のダクト保温工事中の感電死亡事故
【事故の概要と推定原因】
天井裏(作業空間がほとんど無い状況)で被災者はダクト(金属板)に保温材を巻き付ける工事をしていた。
作業用照明は、付近のコンセントからとっていが、ダウンライトの配線に保温材のアルミ箔が食い込んだものと推定されている。
【上記から導かれる事故の防止対策】
- 電気工事以外の工事においても、事前の打ち合わせにより、電気配線への配慮を要請することが必要。
(今回の場合は、電気主任技術者に工事の知らせはなかったとのこと) - 電気主任技術者は、日頃から、施主及び工事関係者へ電気災害防止の啓発をしておくことが必要。