電気設備事故のパターン(例)

高圧ケーブルの絶縁破壊事故

高圧ケーブルが両端接地されていたため、機器の地絡事故発生時に、高圧ケーブルのブラケット取り付け部が焼損した。
⇒ケーブルシースの両端接地については、循環電流、接地継電器の誤動作等から、恒長50m程度以下の場合は、片側接地とすることが望ましいとされている。

屋上キュービクル内結露現象による地絡事故

屋上接地のキュービクルの換気孔から湿気が入り込み、湿度が高まっていた状況下で、急激に気温が急激に下がった。(気象状況)
キュービクル内に結露が発生し、PT一次側リード線に水が溜まり、地絡事故へと発展して。
⇒常時管理が不可能なキュービクルの場合は、(経費増になるが)完全密閉型或いは内圧型にするか、或いは絶縁部分の絶縁階級を上げることも考えてみる必要がある。

高圧機器類の微接地事故の例

碍子・高圧機器類の微接地による事故として、「地絡継電器動作--停電--(配電変電所よりの)再送電成功--数分後地絡継電器動作--停電」のような様相を呈することがある。

地震による電気設備の被害例

地震による被害件数の多いものとして、照明器具、配管配線、配電盤類が挙げられている。
その他に、受変電用キュービクル本体の移動・転倒、変圧器類の移動・転倒や周辺配線の破損もあり、これらは基礎と脚部の固定強度不足または転倒防止アンカーの強度不足によることが主な原因とされている。
また、自家用発電設備においても、本体の移動・転倒、排気筒折損、冷却水配管破損、油配管破損、付属の起動用蓄電池破損等の被害もある。
蓄電池設備も非常用電源として設置されているが、本体亀裂、液漏れ、短絡により火災が発生する事例などがある。
揺れの大きい地区では、避雷針の曲がりなどの被害もある。